３月定例会はじまる。予算について。

今日から３月定例会が始まりました。
会期は３月２０日までの２８日間。約１か月近い長丁場です。

年４回ある定例会の中でも、３月定例会は特別な議会です。
何が特別か分りますか？

それは新年度（平成26年度、4月1日～スタートし、3月31日まで）の
安曇野市のお金の使い道（歳出）とその財源（歳入・どうやってお金を調達するのか）について話し合う議会なのです。
安曇野市行政は、歳入と歳出を予め算出した案（予算案）を議会に提案する権利があり、
議会は予算案を審議し、議決する権利があります。
分りやすく言えば、行政は計画を立て、それを議会がOKを出し、行政が実際に行うのです。

2月20日付の市民タイムスや信濃毎日新聞に安曇野市の予算案が載ってましたが、
みなさん、見ましたか？
見た方はどんな感想や印象を持ったでしょうか？

新聞にも書かれていたことを、かいつまんで書いてみると・・・。

まず安曇野市の予算案規模。これが439億6千万円。
これだけ使うということです。
そして、これだけ使うということは、これだけお金を調達できる、と市は考えているわけです。
（実際にお金を調達できるのかどうかは別問題。）
大きすぎてピンときませんね。

ちなみに長野市は約1710億、お隣の松本市は約877億。
安曇野市と近い規模は佐久市（人口約10万人）で471億です。

どんな使い道になっているかというと、

まずハード面。
ハードとは公共施設や道路整備など、作る、建てると言ったもの。

・新本庁舎建設関連・・・約30億（6.8％）
・穂高会館の耐震化・・・約11億（2.5％）
・しゃくなげ荘の建替と駐車場整備・・・約10億（2.2％）
・老朽化したアルプス保育園の建替・・・約5億
・豊科公民館の耐震化・改修・・・約4億
・新本庁舎近くの防災広場整備（直樹さんの住むアパートの前ね）・・・約3億
・その他

上記ハード事業で約103億。歳出全体の23.6％になります。

では、これらの財源はどうすんの？

ハード事業の多くは合併特例債という有利な地方債を発行してお金を集めます。
何が有利かというと、この合併特例債は、地方自治体が発行するにも関わらず、
返済額の7割を国が負担してくれるのです。

で、安曇野市長は、
「市の負担の少ない合併特例債の使えるうちに、やれることをやっておこう。」
と積極的にハード事業を進めているのです。

将来の長きにわたって使える建物や道路を作るということは、
資産を作っていると言えるわけですが、一方で、負担率が3割とはいえ、
資産だけでなく、返していく借金も増えていくわけですね。

三郷総合支所も当初は耐震工事をして利用を続けるという話だったのですが、
合併特例債を使える期間が延長になったので、検討し直し、
建て替えて学習交流センターを作るということになっています。

市長は「コンパクトなものを作る。」と言っていたのですが、
先日の議員への説明では16億かけたものを作るということでビックリ！

三郷の図書館は図書室と言った方がいいような小さなものです。
このような教育や文化に投じるお金は十分かけていいと僕は思っていますが、
一体どのような交流センターを作るつもりなんでしょう？
同じ敷地内に大きなホールや会議室もある公民館があるのに。


ソフト面や新たな事業としては、

・中学生10名の海外ホームステイ事業・・・737万
・安曇野ハーフマラソン・・・800万
・市歌の制定・・・511万
・地元農産物の商工業者による特産品開発・・・200万
・光城山の桜の復活プロジェクト・・・120万

などがあります。
こうしてみると、ソフト事業ってハード事業に比べてお金が2ケタ違うんですね。
逆にハード事業を最小限にして、その分多様なソフト事業をやっていくという考えもありますよね。

あと気になるところでは・・・

松くい虫対策で約2億を計上。これは前年度の2倍以上。
市も本気になって、薬剤散布や更新伐による樹種転換、伐倒燻蒸処理など、
集中的に対策に取り組み、被害を一気に沈静化しようとしています。

中でも特別防除として、有人ヘリによる空中散布を明科・豊科地区で実施します。
散布する薬剤はネオニコチノイド系のアセタミプリドという成分です。

昨年6月に無人ヘリで試験的に散布しているのですが、
それについての安全確認調査の結果が市のホームページに出ています。
http://www.city.azumino.nagano.jp/gyosei/kakuka/norin/kochi/oshirase/20131122.html

この薬剤を空中から散布して本当に大丈夫なのか？
薬剤がどのような成分を持っているのか？
人体への安全性は？
生態系への影響は？
散布する場合、時期、時間帯、濃度などは？

このようなことを一つ一つ検証していかなければなりません。
なし崩し的に実施されるのだけは絶対避けたいものです。

みなさんは有人ヘリによる散布をどう思いますか？
疑問や不安があるなら、きちんと市役所に電話をして声を上げた方がいいです。

これから議会でやり取りする時に、
「市民の反対の声は無かったのか？」と質問した時に、
「全然ありませんでした。」となるか、「反対の電話が15件ありました。」とでは全然違います。

有人ヘリによる空中散布の是非を一緒に考えていきましょう。
その上で納得した結果を自分たちの手で導き出しましょう。


話を予算に戻しますが、今度は歳入、財源確保の問題。
上記に書いたように、

・特例債含む地方債発行・・・89億（20.3％）
・市税（僕ら安曇野市民が払う市民税や企業の法人市民税）・・・約111億（25.3％）
・地方交付税（これは国から地方に配分する税金）・・・107億（24.3％）
・その他（詳細は省略）

これで気になるのは、先ごろ知らされた豊科にあるソニーの撤退。
雇用が現在1000人規模なのが250名程度になると言われていて、
そこで働いていた人の市外への流出などもあり、
当て込んでるほどの税収が得られるのかということ。

市がよくなるために、我々の暮らしがよくなるために、
予算の規模やその使い道をしっかりと見極めていく必要があります。

これからの1か月の議会は、このことを重点的にやっていくわけです。

定例会の日程は以下で見られます。
http://www.city.azumino.nagano.jp/gikai/info/2014/03/2603nittei.html

大きなところでは、
2月25，26，27日で予算説明。
3月5，6，10日で一般質問。
3月12，13，14，17日で各委員会。
3月20日が議案採決。

望三郎市議の一般質問テーマは

・北小倉廃棄物処理施設問題その２
・観光振興『安曇野暮らしツーリズム』と三郷スカイライン整備について

です。
どうぞ傍聴に来てくださいね。