市長と語る会に思う、市民軽視の市政のあり方

1月下旬から2月頭にかけて「市長と語る会」なる集会が行われていました。
市民が日頃感じていることや市政への意見や要望を
直接市長に伝えられる機会として、安曇野市が主催している場です。

合併した旧五町村の全地域5か所で開催されており、
望三郎市議は最終日の2月2日の三郷会場に参加しました。

この場に参加して、市長の姿勢に市民軽視を感じました。



理由は以下の2つ。

１点目は三郷総合支所の建て替えについての市の姿勢。

これまで市は、三郷総合支所は耐震補強をして利用していく、という方針でいました。
ところが建て替えて交流センターを作るということにした、と言うのです。
合併特例債の利用期間が5年間延長されたので、それを利用するとのこと。

建物の建て替え自体の是非をここでは論じませんが、
問題は180度の方針転換がされ、その結果のみを市民に後から報告する、
という市長の姿勢です。

三郷総合支所の整備については、
地元三郷住民で構成される市民会議で検討されてきた経緯があります。
1月18日付の市民タイムスには、
180度の方針転換について結果だけ知らされたことに対して、
会長さんの不服のコメントが掲載されていました。

特例債の利用が5年延長される、という社会的要因が変化するなら、
そのことを市民会議にしっかりと伝え、改めて共に検討し、方針を導き出していく。
それが市政のあり方だと思います。

それが過程を経ずに結果だけを伝えられれば、
市民としては、

「今までの市民会議での検討は何だったのか？」
「肝心なところはいつも行政が勝手に決める。」

と思わざるを得ないでしょう。

これは市議としての僕としても同様に感じています。
昨年の12月定例会の中で、
何の前ぶれもなく「三郷総合支所を建て替える」とだけ伝えられました。
これについては市民タイムス記者も、同様の疑問を記事にしています。

市長と語る会では、地元住民の方が、
「建て替えの是非について、住民へのアンケートを取るべきだ。」
という投げかけをされました。

これに対し、市長は
「住民投票は地域を二分する恐れがあるので慎重にしたい。」
と消極的な姿勢を示しました。

本当に大事なこと、僕たちの地域の将来に関わることなら、
自分たちの意見を直接表明できる住民投票も積極的にやるべきです。

これが「現場主義」をうたう市長の姿勢なのでしょうか？


2点目。これは北小倉の廃棄物処理施設問題について。

市長と語る会の中では、最初に市長が40分ほどかけて、
市政の現状の課題や取り組みを報告しました。
話は多岐にわたりましたが、どの問題もしっかりと認識されており、
さすがだな～と感心したものです。



問題は市長報告の終盤。三郷地域の課題について話した時のこと。
僕は当然三郷小倉の廃棄物処理施設問題も取り上げると思っていました。
しかしこの件については一切ノーコメント。

「あれ、市長は（北小倉の件を）課題と認識していないのか？」

と思いました。
地元住民がこの問題に10年近くも苦しみ、
行政にその解決を働きかけ続けているにもかかわらずです。

その後の何人かの方がこの問題を質問したところ、
市長はこう答えたのです。

「この問題は合併前からの懸案事項でして・・・。」

なんや、問題だと思ってるんやんか～～～！

と突っ込みたくなりました。

懸案事項・課題だと思っているのに、
自らの報告の中ではあえてコメントしないのはなぜなのでしょうか？

あれは一部の住民が騒いでいるだけで、三郷地域の問題ではない、
と暗に言っているようなものです。
問題を矮小化（小さく閉じ込める）しようとするのです。

この問題で暮らしを脅かされ、
10年の長きにわたり解決に全力で取り組んでいる住民の方たちにとっては、
憤りと怒りを覚える市長の住民軽視の態度です。


以上2点。

市長は一事が万事、この態度なのでしょうか？

あまり特定の人の批判はしたくないのですが、今回は僕もあまりにもひどいと感じ、
このようなブログを書きました。

これは三郷地域だから起こったわけではなく、
別の地域、別の案件で同様な市民軽視の対応をしかねないからです。

このことはやはり市民が「おかしい！」と声を上げていかなければなりません。