これが言論の府か？特定秘密保護法についての議論

今日はとてもワクワクした気持ちで議会に出かけました。

全員協議会。
25人の議員が全員集まって、話し合うというもの。
議題は特定秘密保護法。

※このような展開になった経緯はコチラ

今回のような重要な案件について、

5～6人で構成される小さな委員会ではなく、
議員全員で話し合い、議会としての意見書を出そう、

という展開に、

議員それぞれの思いを存分に言い合えるのだ、聞き合えるのだ、
そして言論の府である議会として一つの意見書を導き出すのだ！

と胸躍るものがあったのです。


しかし、実際は・・・。

まず進行役の議長が議論の最初にこう言われました。

「10時をめどにしましょう。」

開始時間は9時。つまり1時間で話し合いを終えようというのです。

「えっ？たった1時間で足りるの？」

と思いましたが、議論がスタート。

廃止の意見書を出すべきという人、
必要ではあるが、適切な運用を求める意見書を出すべきという人、
いやいや、この法律は今騒がれているようなことは無い、
大丈夫なので意見書を出す必要もないという人（これは公明党議員の意見）

それぞれ意見が出されました。

望三郎市議も、この法に対しては廃止を求めるべきという立場から、

「自分は廃止の立場だが、賛成する側の意見をしっかりと聴きたいと思っている。」
「（公明党の方は）政府は大丈夫、安心していいと言うが、
　福島原発の汚染水問題をオリンピック誘致のために問題なし、
　とした現政府は信じられない。」
「十分な議論をした上での数の力での決定ならいざ知らず、
　このような進め方では国民も、市議としても看過できない。」

ということを発言しました。

さあそれぞれエンジンも温まってきた頃。
これからさらに議論をしよう！

そう思った矢先に議事を進める議長の声。

「これで終わりにしたいと思います。」

僕は思わず、

「たった1時間で議論が十分にし尽くしたとは思えない。
　まだ発言していない議員もたくさんいる。もっと続けてはどうか？」

と発言しました。

が、議長は「キリがないので。」と意見は終結に。

まるでこれでは国会の強行採決と同じではないですか。

議会は言論の府。
25人の議員がそれぞれ自分の思いを出し合い、
議論をし合うことこそが価値があることなのに。

そう言えば、無所属議員、共産党や公明党以外の方たちは、
数名の人たちが発言しただけで、それ以外の人たちは発言さえしなかったのです。

この重要な案件に対して、それぞれが何を思っているのかが全く分からない。
廃止に反対ならばそれでもいい。
自分の言葉で自分の考えを語るのが政治家ではないでしょうか？

これが会派の拘束と言うものなのでしょうか。
会派の何名かが発言して、あとの議員はだんまりを決め込む。

そのことが残念で仕方ありませんでした。
この程度で言論の府と言えるのでしょうか。

たったこれだけの議論で・・・と思ったのは僕だけではありませんでした。
朝9時の時間に合わせて傍聴に駆け付けた市民のみなさん約15名ほど。

会終了後にみなさんの意見を聞いてみました。

「意見を出さない人の意見が聞きたかった。果たしてどの程度理解しているのか。
　どんな認識をしているのかが分らない。」
「議員としては発言してしかるべき。それが一番聞きたかったし、おかしいと思った。」
「議長は一人一人にどう思っているかを聞いてほしかった。」
「こんな程度の話し合いなのかということが分かった。」
「意見を言ってる人の考えは分かった。
　言わない人は勉強してないから言えないんじゃないでしょうか。」
「議長が、意見が出尽くした、と言うのを聞いて、ええっと思った。
　いつもの会派の代表が言って、後の人はそれについて行くという議会になってるのでは。」
「議長は意見が出尽くしたって判断したのは、
　みんなの意見が一緒だなって思ったんでしょうかね。
　事前に打ち合わせしてるからかしら。」
「会派の方針で決まっていたとしても、それを自分の言葉で発言してほしい。
　そしたら自分の本当の思いにも気づくかもしれない。」
「（発言できないことが分かっていたけど、）私も発言したかった。」
　でも現状のルールではそれができない。だから議員が頑張ってもらわないと。」
「議員の選挙の時に、あの人、何も発言しない人よって言わないと。」


傍聴者の感想は、秘密保護法そのものについての意見より、
議会に対しての意見がほとんどでした。
このような議会を続けていけば、傍聴に来ている市民が議会から遠ざかってしまうでしょう。

舞台は明日午後2時からの定例会最終日の本会議に移ります。
廃止の意見書を出す組と慎重運用の意見書を出す組と、
双方の意見書を出し、それに賛成反対討論をし合います。

さあ、安曇野議会の明日はどうなる？