★3月定例会の報告
- 2020/03/31
- 21:08
増田望三郎です。こんばんは。
新型コロナウイルスの影響は拡大の一方、政府の緊急事態宣言もいつ出されるかという状況です。
オリンピックイヤーのはずが、このような一年になるなんて誰が想像したでしょう。
東京では出かけるなという要請、そして佐久市長は東京の人は来ないでという発言。
いろいろなものがストップし、流れていたものが流れなくなっています。
これにより経済は停滞。私の家業の宿泊業もゲストがほとんどいません。
飲食業、宿泊業、イベント開催など、人を集めて商売をするというビジネスは、
これまでの主流だったと思います。
またビジネスだけでなく、子どもたちの学校、大人たちの会社勤めなども、
集まって何かをするというスタイルも機能しなくなりました。
こういったスタイル自体を考え直さざるを得ない状況です。
人知を働かせる時です。
さて前振りが長くなりましたが、3月定例会の報告です。
新年度予算は賛成多数で可決され、明日4月1日から新年度予算が執行されます。
私は今回の予算案は賛成でした。
賛成と反対との意見が分かれ、討論があったもので主だったものを挙げます。
まずは南農高校の同窓会長名で出された南農高校の存続を願う陳情。
これについては私は反対をしました。
「望三郎議員は南農の存続に反対なのか?」と思う方が多いと思います。
農業を基盤としたまちづくりを進めてきた安曇野市にとって、
その人材を1世紀に渡って輩出し続けてきた南農高校の存続については私も異論なく賛成です。
ただ今回の陳情内容が、「単独存続」を求めたものでした。
少子化で生徒数も減り、多くの高校において定員割れする状況がある中で、
南農が存続していくためには、果たして単独存続がいいのか。
それとも農商連携が行えるように、他の専門高校との合併して、
より幅広い分野にわたり、その特色を出していくのがいいのか。
これについては、単なる母校を残したいというノスタルジーだけでない、
質のある議論をしなければならないと考えました。
その理由で12月定例会時にはこの陳情を継続審査にし、
その後須坂創成高校に委員会で視察に行くなどして研究をしました。
農商工の連携できる特色ある専門校もアリだなと思ったのですが、
一方で南農単独の筋も検討したいと思い、今度は南農高校への視察を行いたいと、
委員会での審査の際に、2度の継続審査を出しましたが、
継続にすることは多数決で否決されました。
委員会では賛成3人(猪狩議員、小松議員、竹内議員)、
反対3人(増田、小林陽子議員、内川議員)の同数となり、
最後は中村今朝子委員長の採決で、陳情採択となり、
本会議も賛成多数で採択となりました。
本会議では、「単独存続」を良しとするだけの調査をしておらず根拠が無い。
むしろ南農高校が進むべき豊かな道を限定してしまうのではないかという思いもあって反対しました。
いずれにせよ、南農高校が子どもたちにとっても、安曇野市にとっても、
最もいい形で存続していく道筋をこれから考えていかなければなりません。
以下に新年度予算案への賛成討論、南農高校存続陳情への反対討論の要旨を書きます。
以上、3月定例会報告でした。
●議案第22号 新年度予算案(望三郎は賛成討論、賛成多数で可決)
賛成の立場で発言します。あれこれ言いますが、賛成ですので、よく聞いてください。
まず体育館について。
今回の一般質問では、三郷西部認定こども園、東部認定こども園の整備について、
市長は整備する旨は言及されたが、一方で財政面の厳しさもコメントされました。
またこの2つの施設整備だけでなく、学校の長寿命化計画、
廃止施設の解体に特例債の活用など、ハード面での予算支出は続いていきます。
そんな中でやはり38億円越えの体育館整備という大型歳出により、
これから本市は財政面での厳しい運営が続くわけです。
我々議員は、あれをやれ、これをやれ、と行政に物申すわけですが、
そのあれやこれやは、財政上もうできない。
しかしそれは体育館整備予算を議決した自分たちで蒔いた種とも言えるわけです。
議員の提案も財源を示さなければ、行政からは下を向いて笑われてしまうことになるでしょう。
さて、この体育館。これだけのお金をかけたなら、けして負の遺産にしてはなりません。
今は有効な活用方法、少しでも歳入増に結びつく活用方法を考えるステージだと思います。
次に自然保育について。
明科北こども園を特化型に移行するという今回の市の方針。
自然保育のモデル園、リードする園を作るという話で、
地域おこし協力隊にそれができるのか、という指摘でした。
これは地域おこし協力隊だけでそれをやるわけでなく、
公立園の特化型移行というチャレンジを所管課を筆頭に安曇野市として取り組んでいくということです。
地域おこし協力隊はそのチームの一員として、協力隊員としての役割を果たしていく、というものです。
市の方針を認め、かじ取りをしっかりとやっていけるように、地域おこし協力隊が見つかるように、
我々議員もそれぞれのつながりやネットワークを通じて、人材を見つけてきましょう、と呼びかけたい。
最後に純子議員の一般質問で取り上げられた事案について。
セクハラ問題、和解の件、そしてSL移設の裁判判決に基づく県の行政指導についての市の対応。
いずれの答弁も歯切れが悪く、潔さとは対極にあるものを感じ、
我が安曇野市行政は大丈夫なのかと正直思いました。
これと同列に論じていいかは分かりませんが、今回の行政の予算概要説明書の中に、
まだ確定していない指定管理者名が掲載されていました。
これについて私は口頭でも指摘しましたし、
補正予算案の議案質疑や所管委員会の新年度予算案質疑でも取り上げられました。
所管課長から、これはミスでしたと正式に発言があったのは、定例会22日目の所管委員会の中でした。
こういったことも早々に差し替えや開会直後の全協の予算説明会の場で訂正を言えばいいのに、それをしない。
今回の小林議員の一般質問で取り上げられた事案、何かスッキリとしない。
議会の場で、正々堂々事案を説明し、どのように対応したのかを明示するという態度が感じられなかった。
失敗や間違いに対して、どう対応するか、公に潔く認めて反省し、
再発しないように手を打つのか、それともそれをごまかすのか。
そこに組織の盛衰は分かれると思います。
ただ、このことと予算執行とは直接結び付けずに、今後改めて議会に説明をして頂きたいと思います。
●南安曇農業高等学校の存続を求める陳情書(望三郎は反対討論、賛成多数で採択)
陳情に反対の立場で討論いたします。
私は昨年12月定例会福祉教育委員会において
南農高校の単独存続を求める陳情を継続審査にした理由として、
単独での存続は10年20年後も見据えた中で、本当に市のため、
子どもたちのためになるのか、質のある議論が必要だと述べました。
拾ケ堰に代表されるたくさんの農業用水路が流れ、
現代まで受け継がれてきた農を基盤としたまちづくりを進めてきた
本市にとって農業高校を残すことに異論はありません。
しかし、農業高校を残すためには、少子化に向かう中で、
果たして単独のままで魅力ある高校が創れるのか、創れるとしたら、どのように創れるのか。
また逆に、商工と連携した方が、相乗効果を生み出し、
高校としての魅力を高め、存続していけるのではないか。
質のある議論が必要だと訴えました。
継続審査中には、1月末に須坂市にある須坂創成高校の視察を行いました。
ここは、農業高校と商業高校の合併だけでなく、
そこに須坂市の特色でもあるものづくりという点で、工業科も新たに加えたことで、
地場企業の支援や連携も引き出し、インターンシップなど子どもたちの実学につなげており、
特色ある高校づくりを行っていました。
これからの時代は、大学進学だけの普通科進学校だけでなく、このように専門性を伸ばす、
しかも農商工の連携を生み出す方向性を目指す方がいいのではないかと思えた視察でした。
その視察を終えて、私はでは、南安曇農業高校はどのような高校なのだろう?
どのような特色を持った高校なのだろう?という強い関心を持ちました。
田園産業都市の後継者を育てる高等機関として、
農の分野だけの単独専門高校として、未来への展望があるのか。
単独で残ることが必要だと言える実態や根拠があるのか、そのことを調査研究したいと思い、
もう一度継続審査にして、南安曇農業高校を視察しようと提案しました。
しかし2度の継続審査の提案は否決され、単独存続の本陳情が採択されました。
私にしてみれば、単独存続だとする、その根拠が無く、
むしろ南農高校が進むべき豊かな道を限定してしまうのではないかという思いもあり、
今回陳情に反対いたします。
尚、賛成討論される方はぜひ単独存続を良しとした、その根拠に焦点を充てた賛成討論をお願いいたします。
新型コロナウイルスの影響は拡大の一方、政府の緊急事態宣言もいつ出されるかという状況です。
オリンピックイヤーのはずが、このような一年になるなんて誰が想像したでしょう。
東京では出かけるなという要請、そして佐久市長は東京の人は来ないでという発言。
いろいろなものがストップし、流れていたものが流れなくなっています。
これにより経済は停滞。私の家業の宿泊業もゲストがほとんどいません。
飲食業、宿泊業、イベント開催など、人を集めて商売をするというビジネスは、
これまでの主流だったと思います。
またビジネスだけでなく、子どもたちの学校、大人たちの会社勤めなども、
集まって何かをするというスタイルも機能しなくなりました。
こういったスタイル自体を考え直さざるを得ない状況です。
人知を働かせる時です。
さて前振りが長くなりましたが、3月定例会の報告です。
新年度予算は賛成多数で可決され、明日4月1日から新年度予算が執行されます。
私は今回の予算案は賛成でした。
賛成と反対との意見が分かれ、討論があったもので主だったものを挙げます。
まずは南農高校の同窓会長名で出された南農高校の存続を願う陳情。
これについては私は反対をしました。
「望三郎議員は南農の存続に反対なのか?」と思う方が多いと思います。
農業を基盤としたまちづくりを進めてきた安曇野市にとって、
その人材を1世紀に渡って輩出し続けてきた南農高校の存続については私も異論なく賛成です。
ただ今回の陳情内容が、「単独存続」を求めたものでした。
少子化で生徒数も減り、多くの高校において定員割れする状況がある中で、
南農が存続していくためには、果たして単独存続がいいのか。
それとも農商連携が行えるように、他の専門高校との合併して、
より幅広い分野にわたり、その特色を出していくのがいいのか。
これについては、単なる母校を残したいというノスタルジーだけでない、
質のある議論をしなければならないと考えました。
その理由で12月定例会時にはこの陳情を継続審査にし、
その後須坂創成高校に委員会で視察に行くなどして研究をしました。
農商工の連携できる特色ある専門校もアリだなと思ったのですが、
一方で南農単独の筋も検討したいと思い、今度は南農高校への視察を行いたいと、
委員会での審査の際に、2度の継続審査を出しましたが、
継続にすることは多数決で否決されました。
委員会では賛成3人(猪狩議員、小松議員、竹内議員)、
反対3人(増田、小林陽子議員、内川議員)の同数となり、
最後は中村今朝子委員長の採決で、陳情採択となり、
本会議も賛成多数で採択となりました。
本会議では、「単独存続」を良しとするだけの調査をしておらず根拠が無い。
むしろ南農高校が進むべき豊かな道を限定してしまうのではないかという思いもあって反対しました。
いずれにせよ、南農高校が子どもたちにとっても、安曇野市にとっても、
最もいい形で存続していく道筋をこれから考えていかなければなりません。
以下に新年度予算案への賛成討論、南農高校存続陳情への反対討論の要旨を書きます。
以上、3月定例会報告でした。
●議案第22号 新年度予算案(望三郎は賛成討論、賛成多数で可決)
賛成の立場で発言します。あれこれ言いますが、賛成ですので、よく聞いてください。
まず体育館について。
今回の一般質問では、三郷西部認定こども園、東部認定こども園の整備について、
市長は整備する旨は言及されたが、一方で財政面の厳しさもコメントされました。
またこの2つの施設整備だけでなく、学校の長寿命化計画、
廃止施設の解体に特例債の活用など、ハード面での予算支出は続いていきます。
そんな中でやはり38億円越えの体育館整備という大型歳出により、
これから本市は財政面での厳しい運営が続くわけです。
我々議員は、あれをやれ、これをやれ、と行政に物申すわけですが、
そのあれやこれやは、財政上もうできない。
しかしそれは体育館整備予算を議決した自分たちで蒔いた種とも言えるわけです。
議員の提案も財源を示さなければ、行政からは下を向いて笑われてしまうことになるでしょう。
さて、この体育館。これだけのお金をかけたなら、けして負の遺産にしてはなりません。
今は有効な活用方法、少しでも歳入増に結びつく活用方法を考えるステージだと思います。
次に自然保育について。
明科北こども園を特化型に移行するという今回の市の方針。
自然保育のモデル園、リードする園を作るという話で、
地域おこし協力隊にそれができるのか、という指摘でした。
これは地域おこし協力隊だけでそれをやるわけでなく、
公立園の特化型移行というチャレンジを所管課を筆頭に安曇野市として取り組んでいくということです。
地域おこし協力隊はそのチームの一員として、協力隊員としての役割を果たしていく、というものです。
市の方針を認め、かじ取りをしっかりとやっていけるように、地域おこし協力隊が見つかるように、
我々議員もそれぞれのつながりやネットワークを通じて、人材を見つけてきましょう、と呼びかけたい。
最後に純子議員の一般質問で取り上げられた事案について。
セクハラ問題、和解の件、そしてSL移設の裁判判決に基づく県の行政指導についての市の対応。
いずれの答弁も歯切れが悪く、潔さとは対極にあるものを感じ、
我が安曇野市行政は大丈夫なのかと正直思いました。
これと同列に論じていいかは分かりませんが、今回の行政の予算概要説明書の中に、
まだ確定していない指定管理者名が掲載されていました。
これについて私は口頭でも指摘しましたし、
補正予算案の議案質疑や所管委員会の新年度予算案質疑でも取り上げられました。
所管課長から、これはミスでしたと正式に発言があったのは、定例会22日目の所管委員会の中でした。
こういったことも早々に差し替えや開会直後の全協の予算説明会の場で訂正を言えばいいのに、それをしない。
今回の小林議員の一般質問で取り上げられた事案、何かスッキリとしない。
議会の場で、正々堂々事案を説明し、どのように対応したのかを明示するという態度が感じられなかった。
失敗や間違いに対して、どう対応するか、公に潔く認めて反省し、
再発しないように手を打つのか、それともそれをごまかすのか。
そこに組織の盛衰は分かれると思います。
ただ、このことと予算執行とは直接結び付けずに、今後改めて議会に説明をして頂きたいと思います。
●南安曇農業高等学校の存続を求める陳情書(望三郎は反対討論、賛成多数で採択)
陳情に反対の立場で討論いたします。
私は昨年12月定例会福祉教育委員会において
南農高校の単独存続を求める陳情を継続審査にした理由として、
単独での存続は10年20年後も見据えた中で、本当に市のため、
子どもたちのためになるのか、質のある議論が必要だと述べました。
拾ケ堰に代表されるたくさんの農業用水路が流れ、
現代まで受け継がれてきた農を基盤としたまちづくりを進めてきた
本市にとって農業高校を残すことに異論はありません。
しかし、農業高校を残すためには、少子化に向かう中で、
果たして単独のままで魅力ある高校が創れるのか、創れるとしたら、どのように創れるのか。
また逆に、商工と連携した方が、相乗効果を生み出し、
高校としての魅力を高め、存続していけるのではないか。
質のある議論が必要だと訴えました。
継続審査中には、1月末に須坂市にある須坂創成高校の視察を行いました。
ここは、農業高校と商業高校の合併だけでなく、
そこに須坂市の特色でもあるものづくりという点で、工業科も新たに加えたことで、
地場企業の支援や連携も引き出し、インターンシップなど子どもたちの実学につなげており、
特色ある高校づくりを行っていました。
これからの時代は、大学進学だけの普通科進学校だけでなく、このように専門性を伸ばす、
しかも農商工の連携を生み出す方向性を目指す方がいいのではないかと思えた視察でした。
その視察を終えて、私はでは、南安曇農業高校はどのような高校なのだろう?
どのような特色を持った高校なのだろう?という強い関心を持ちました。
田園産業都市の後継者を育てる高等機関として、
農の分野だけの単独専門高校として、未来への展望があるのか。
単独で残ることが必要だと言える実態や根拠があるのか、そのことを調査研究したいと思い、
もう一度継続審査にして、南安曇農業高校を視察しようと提案しました。
しかし2度の継続審査の提案は否決され、単独存続の本陳情が採択されました。
私にしてみれば、単独存続だとする、その根拠が無く、
むしろ南農高校が進むべき豊かな道を限定してしまうのではないかという思いもあり、
今回陳情に反対いたします。
尚、賛成討論される方はぜひ単独存続を良しとした、その根拠に焦点を充てた賛成討論をお願いいたします。
- 関連記事
-
- 議会だよりモニター座談会をやりました! (2020/08/22)
- ★3月定例会の報告 (2020/03/31)
- 2020年度(令和2年度)当初予算の解説 (2020/03/10)