議員と火事と消防団と
- 2019/04/11
- 07:19
みなさんには議員が普段はどんなことをしているのか、
議員の仕事あれこれをこれまでもお伝えてきましたが、
今回は「議員と火事と消防団と」をテーマに書いてみたいと思います。
これが本来の議員の仕事なのかどうかはよく分かりませんが。
市内で火事が発生すると、議員は火事現場に駆けつけることになっています。
ちなみに三郷在住の議員なら三郷地区で発生の火事について。
他地区の火事には行きません。
他用事で出かけていたり、議会はじめ他の所用があった場合など、
必ずしも毎回行けるわけではありません。
私も年に数回程度です。
先日8日、三郷小倉で大きな火事がありました。
発生時刻は午後3時過ぎた頃。
この時私は自分の営む地球宿の裏庭で薪づくりをしていました。
かなり近くから黒煙がもうもうと上がっていたので火事だと分かり、
議員にも貸与されている法被(はっぴ)を着て駆けつけました。
現場には既に消防署の消防車や地域にある消防団が消防活動を始めていました。
しかしこの時、北風はかなり強く一気に燃え広がっていて、かなりヤバイ状況でした。
ちなみに消防署の職員は消火のプロフェッショナルですが、
消防団のみなさんは本業を別に持つ一般市民で構成されています。
安曇野市には地域・地区ごとに16の分団があります。
三郷小倉は第14分団で、主にりんご農家のみなさんで構成されていて、
この日も畑から駆け付けた団員も多かった。
※消防団員の法的位置づけは、装備や報酬が支給される市の非常勤地方公務員です。
報酬はけして多くは無いのですが。
話を元に戻します。
で、この火事場で議員は具体的には何もしていません。
プロの消防職員はプロの仕事をし、
消防団もプロのサポートをしながら、自前のポンプ車を使い、
消火栓にホースをつなげ、
さらにそのホースを時には何本もつなげて伸ばして直接的に消火活動もしている。
まさに「火急(かきゅう)=火が燃え広がるように急なこと。
一秒一分を争うほど急を要すること。」の状況で、
議員ができることが無いのです。
見ているだけ。
むしろ、ボーっと突っ立ていても邪魔になるんじゃないかとさえ思います。
なので、僕はいつも一般車の交通整理をします。
交差点の入り口で消火活動エリアに車が入ってこないようにするわけです。
入ってこようとする車は結構多い。
この先が消火現場を行っていると知らずに入ってこようとする車、
「どこの家が燃えているだい?」と近づいて確認しようとする地元民の車など。
これらが全部入ってくれば、たちまち渋滞。通り抜けはもちろんUターンも困難になります。
後から駆け付けてくる消防署や消防団の車が入ってこれない事態にもなりかねない。
(もちろん消防の関係車両は通すわけです。)
・・・という交通整理の仕事が案外されていないことが現場に行ってみると分かりました。
消防団員も消防活動そのものにあたり、交通整理にさく人手がないのです。
議員が駆けつけた場合、交通整理をやればいいのではないかと思っています。
ちなみに普段の火事なら1~2時間の短時間で鎮火し、最後に解団式というのがあります。
地域消防団を前に議員が締めの一言を申し述べるのです。
「お疲れさまでした。」とか「春のこの時期、地元への注意喚起をお願いします。」とか。
まあ、これが議員の仕事というのが現状です。
今回の火事は消防団員も嘆く大火事でした。
大きな火は午後5時すぎぐらいには収まりましたが、それでも白煙が出続けていました。
それがある限りは鎮火とならず、また火が起きる可能性がある。
信州方言で「なから(=だいたい)」という言葉があります。
消火活動に「なから」はあり得ない。
消防団員のみなさんも、
「(ある程度火が消えてからの)ここからが長いんだよ。」、
「今日はてっぺんコースか?」と言ってました。
てっぺんコースとは、時計の針がてっぺんの12時になること。
つまり日付が変わってしまうということです。
風強く、雨も降りだし、気温も下がります。
消火活動の途中に休憩が入ったのは8時ぐらいだったでしょうか。
まだまだ先があるので、いったん休憩しようということです。
幸いけが人や死者が居なかったので、警察も引き揚げました。
暗闇の中投光器をつけて、消防署職員と消防団員の消火活動が続きます。
100%鎮火に向けて、手持ちライトで消火した現場を時間をかけて
火種が残っていないかを確認しています。
鎮火で消防活動の終了となったのは夜の9時過ぎ、解散は10時を過ぎていたように思います。
余りにも長く、遅かったので解団式は無し。
しかし消防団員の仕事はこれで終わりではありません。
消防団の詰め所に残り、夜通し時間ごとに再燃していないかを確認するメンバー、
一方翌朝6時に現場確認や消防備品の片付け・引き上げをするメンバーと分かれてと活動は続くのでした。
明るかった発生時からどんどん暗くなり、車の往来も少なくなり交通整理の用も無くなったのですが、
それでも今日は火事現場の状況をしっかり見てみよう、消防団の活動を見届けてみようと思い、
ポンプ車のそばで最後まで見させてもらいました。
消防団のみなさん、仕事を置いて駆けつけて、
100%のケリが着くまで「無時間」でやり続けている。
「地域を守るという誇りや矜持を持った。」なんて美辞麗句を送りたくなるのですが、
淡々と消火活動をやり続け、翌日の段取りを確認してサクッと引き揚げていくみなさんの姿、
顔には黒い煤(すす)をつけたみなさんの姿に、ただ「お疲れさまでした。」
という言葉しかかけられませんでした。
安曇野市では地域防災を担う消防団員を募集しています。
必要定員よりも少ない状況があります。
http://www.city.azumino.nagano.jp/soshiki/4/91.html
議員の仕事あれこれをこれまでもお伝えてきましたが、
今回は「議員と火事と消防団と」をテーマに書いてみたいと思います。
これが本来の議員の仕事なのかどうかはよく分かりませんが。
市内で火事が発生すると、議員は火事現場に駆けつけることになっています。
ちなみに三郷在住の議員なら三郷地区で発生の火事について。
他地区の火事には行きません。
他用事で出かけていたり、議会はじめ他の所用があった場合など、
必ずしも毎回行けるわけではありません。
私も年に数回程度です。
先日8日、三郷小倉で大きな火事がありました。
発生時刻は午後3時過ぎた頃。
この時私は自分の営む地球宿の裏庭で薪づくりをしていました。
かなり近くから黒煙がもうもうと上がっていたので火事だと分かり、
議員にも貸与されている法被(はっぴ)を着て駆けつけました。
現場には既に消防署の消防車や地域にある消防団が消防活動を始めていました。
しかしこの時、北風はかなり強く一気に燃え広がっていて、かなりヤバイ状況でした。
ちなみに消防署の職員は消火のプロフェッショナルですが、
消防団のみなさんは本業を別に持つ一般市民で構成されています。
安曇野市には地域・地区ごとに16の分団があります。
三郷小倉は第14分団で、主にりんご農家のみなさんで構成されていて、
この日も畑から駆け付けた団員も多かった。
※消防団員の法的位置づけは、装備や報酬が支給される市の非常勤地方公務員です。
報酬はけして多くは無いのですが。
話を元に戻します。
で、この火事場で議員は具体的には何もしていません。
プロの消防職員はプロの仕事をし、
消防団もプロのサポートをしながら、自前のポンプ車を使い、
消火栓にホースをつなげ、
さらにそのホースを時には何本もつなげて伸ばして直接的に消火活動もしている。
まさに「火急(かきゅう)=火が燃え広がるように急なこと。
一秒一分を争うほど急を要すること。」の状況で、
議員ができることが無いのです。
見ているだけ。
むしろ、ボーっと突っ立ていても邪魔になるんじゃないかとさえ思います。
なので、僕はいつも一般車の交通整理をします。
交差点の入り口で消火活動エリアに車が入ってこないようにするわけです。
入ってこようとする車は結構多い。
この先が消火現場を行っていると知らずに入ってこようとする車、
「どこの家が燃えているだい?」と近づいて確認しようとする地元民の車など。
これらが全部入ってくれば、たちまち渋滞。通り抜けはもちろんUターンも困難になります。
後から駆け付けてくる消防署や消防団の車が入ってこれない事態にもなりかねない。
(もちろん消防の関係車両は通すわけです。)
・・・という交通整理の仕事が案外されていないことが現場に行ってみると分かりました。
消防団員も消防活動そのものにあたり、交通整理にさく人手がないのです。
議員が駆けつけた場合、交通整理をやればいいのではないかと思っています。
ちなみに普段の火事なら1~2時間の短時間で鎮火し、最後に解団式というのがあります。
地域消防団を前に議員が締めの一言を申し述べるのです。
「お疲れさまでした。」とか「春のこの時期、地元への注意喚起をお願いします。」とか。
まあ、これが議員の仕事というのが現状です。
今回の火事は消防団員も嘆く大火事でした。
大きな火は午後5時すぎぐらいには収まりましたが、それでも白煙が出続けていました。
それがある限りは鎮火とならず、また火が起きる可能性がある。
信州方言で「なから(=だいたい)」という言葉があります。
消火活動に「なから」はあり得ない。
消防団員のみなさんも、
「(ある程度火が消えてからの)ここからが長いんだよ。」、
「今日はてっぺんコースか?」と言ってました。
てっぺんコースとは、時計の針がてっぺんの12時になること。
つまり日付が変わってしまうということです。
風強く、雨も降りだし、気温も下がります。
消火活動の途中に休憩が入ったのは8時ぐらいだったでしょうか。
まだまだ先があるので、いったん休憩しようということです。
幸いけが人や死者が居なかったので、警察も引き揚げました。
暗闇の中投光器をつけて、消防署職員と消防団員の消火活動が続きます。
100%鎮火に向けて、手持ちライトで消火した現場を時間をかけて
火種が残っていないかを確認しています。
鎮火で消防活動の終了となったのは夜の9時過ぎ、解散は10時を過ぎていたように思います。
余りにも長く、遅かったので解団式は無し。
しかし消防団員の仕事はこれで終わりではありません。
消防団の詰め所に残り、夜通し時間ごとに再燃していないかを確認するメンバー、
一方翌朝6時に現場確認や消防備品の片付け・引き上げをするメンバーと分かれてと活動は続くのでした。
明るかった発生時からどんどん暗くなり、車の往来も少なくなり交通整理の用も無くなったのですが、
それでも今日は火事現場の状況をしっかり見てみよう、消防団の活動を見届けてみようと思い、
ポンプ車のそばで最後まで見させてもらいました。
消防団のみなさん、仕事を置いて駆けつけて、
100%のケリが着くまで「無時間」でやり続けている。
「地域を守るという誇りや矜持を持った。」なんて美辞麗句を送りたくなるのですが、
淡々と消火活動をやり続け、翌日の段取りを確認してサクッと引き揚げていくみなさんの姿、
顔には黒い煤(すす)をつけたみなさんの姿に、ただ「お疲れさまでした。」
という言葉しかかけられませんでした。
安曇野市では地域防災を担う消防団員を募集しています。
必要定員よりも少ない状況があります。
http://www.city.azumino.nagano.jp/soshiki/4/91.html
- 関連記事
-
- 学校給食センターの説明会 (2019/05/14)
- 議員と火事と消防団と (2019/04/11)
- 統一地方選に思う、そして注目の挑戦者たち (2019/04/05)