現在、3月19日まで続く1か月の定例会の最中です。
今回の定例会では、平成30年度の予算案が最重要の議案になります。
安曇野市がどれだけお金を手に入れて(歳入)、
それを新年度にどのようなことにどれだけお金を使うのか(歳出)。
そのことで私たちの暮らしがどうよくなっていくのか?
子育ては、介護は、教育は、仕事は、環境は、どうなっていくのか?
それが示されているのが予算案です。これを議会が承認するという過程を経て、行政はこの予算を4月から執行していきます。
議会が反対すれば予算執行できません。そのようなことはほとんどないのですが・・・。
安曇野市一般会計予算案概要
http://www.city.azumino.nagano.jp/uploaded/attachment/29270.pdf事業別概要説明書(具体的に事業別に詳しい説明)
http://www.city.azumino.nagano.jp/uploaded/attachment/29270.pdfさてここから解説。
平成30年度予算の総額は約403億円。
昨年29年度より約11億円減っているものの、5年連続で400億円越えの大型予算です。
約403億円使う(支出)ということは、それだけの財源(収入)があるということ。
ではこの403億円はどこからくるの?という、お金の入りについて。(=歳入と言います)
●歳入
・市税(市に直接収められる税金。我々個人や法人の市民税、固定資産税、軽自動車税、たばこ税など)が約117億(29.0%)。
・国からの交付税(国に集められた税金を地方自治体に配分。)が約100億円(24.8%)。
・国や県の支出金(ある事業に対して国や県が負担や補助をしてくれる使い道のはっきりしたもの)が約60億(14.9%)。
・市債(市の借金で将来にわたって返していく)が約52億(12.8%)。
・繰入金(基金=家庭で言えば貯蓄の取り崩し)が約21億円(5.2%)が主だったところ。
・その他で約53億円(13.3%)
※( )の%は全体に対する割合です。
自主財源と言われる市独自のお金は主に市税。これが3割を切ります。
これでは到底やっていけないので、国や県からお金を配分してもらっているわけです。それが約4割。
これとは別に市債を発行しての借金、そして貯金の取り崩しで確保します。約2割弱。
これが安曇野市のお金の入り方です。
去年も書きましたが、国からの交付金をもらっていない自治体って全国にあるんですよ。少ないけど。
原発のある六ヶ所村とかトヨタのある豊田市とか。長野県なら軽井沢町。
国に頼らなくても自分たちでやっていけるという自治体です。
※正確に言うと、原発やトヨタに頼ってるんだけどね。
安曇野市は頼らないとやっていけない自治体ってことです。
ちなみに30年度末での市債残高、つまり借金残高は約426億円の見込みになります。
これを将来にわたって返していきます。
安曇野市の世帯数が39,374世帯あるので、単純に割ると1世帯当たり108万2千円の借金を抱えています。
一方、基金(貯金)残高は30年度末で約68億円の見込み。
これもまた世帯数で割ると、1世帯当たりの貯蓄は17万2千円。
ここからも決して財政的には余裕がないことが分かると思います。では次にこのお金を何に使うのか。(=歳出)
主だったところを挙げてみると、
●歳出
まずハード事業(施設を作ったり改修する建設事業や土木事業)
・南部公園の総合体育館建設関連(約2億6000万円)
先頃基本設計案が示され、これを受けて新年度は実施設計と用地買収が行われます。
完成する32年度までに建設費用など含め全てで38億円になります。
・明科駅周辺の整備(約1億6000万円)
安曇野の東の玄関口として再開発整備を行い活性化につなげます
・豊科たつみ認定こども園、明科南認定子ども園の建て替え(約8億円)
・堀金体育館、明科体育館の大規模改修や耐震工事(約7100万円)
・その他にも三郷文化公園体育館の大規模改修(約4億円)や小学校の校舎などの長寿命化工事(約6億円)があります。
建設事業費は全部で約52億。昨年より10億円、約16%減です。
次にソフト事業。
子育て世代向けには、
・新規に乳幼児の紙おむつを捨てるゴミ指定袋を現物支給 105万円 ◎
・第2子以降の児童を保育所でなく自宅で保育した場合、月額3000円支給 約3800万円
シニア向けには
・去年に続き70歳以上の人に日帰り入浴施設の300円の割引券を24枚分 3000万円
※但し申請しないともらえません。
・アクティブシニアガンバロウ事業 778万円 ◎
健康づくりの活動を定期的に行う団体への支援。
その他にも、
・安曇野アカデミーの開講 23万円 ◎
安曇野の歴史、文化、地域などをテーマにふるさとを理解する講座
・災害派遣された経験のある元自衛隊の方を地域防災マネージャーとして雇用し災害対応強化 543万円 ◎
・東京オリンピックで安曇野市はオーストリアのカヌーチームのホストタウンになっており、
18年はオリンピック選手又は同等の技術を持った人を招き、市民と交流 397万円 ◎
・地域おこし協力隊員の受入れ 約1200万円(1人当たりの賃金が約300万円弱) ◎
農家民宿事業、クラフトビールづくりと推進、各区での地域づくりをテーマに4人を採用。
・空家調査をしてデータベース化し利活用する 331万円 ◎
・住宅の耐震診断、耐震工事補助 4340万円
耐震診断の応募が昨年500件ほどあり、耐震診断を続けます。
などなどです。 ◎印は新規事業
その他新年度のトピックとしては、
中学生以下の医療費が無料でしたが、
これまでは病院窓口で一旦支払い、その後返金されていました。
これが8月からは窓口無料となります。(レセプト診療報酬明細書作成で500円のみ必要)
宮澤市長は「ハードからソフトへ」と言っていますが、
僕の感想は、さほど新たなソフト事業は無いなあと言うものです。
これまでやり続けてきたソフト事業も、余程のことが無いと簡単にやめられないのでしょう。
予算がついていたということはそのサービスを受けている市民がいるわけで、
やめるということはそのサービスが受けられなくなり困る人がいるわけですから。
みなさんの感想はいかがでしょうか。
さて予算の話はこれぐらいで。
今回の定例会の予算案以外の見どころ、聴きどころについて。
三郷西部認定こども園の保護者達から、民営化・統廃合についての検討を求める陳情書が出ています。
まずは3月8日(木)の福祉教育委員会で審査されます。
午前9時から保護者の方の陳情内容の説明があり、それを受けて議員が議論します。
これは大注目です。議員がどんな議論をするのか、ぜひ傍聴に来てください。もう一つ別の陳情で、憲法9条を変えずに憲法を活かす政治の実現を求める陳情書も出されています。
これはまずは総務環境委員会で審査。7日(水)午前1時からです。
尚、一般質問は3月1,2,5日の3日間。午前10時~です。
https://www.city.azumino.nagano.jp/site/gikai/42647.html
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