6月定例会報告
- 2017/07/01
- 15:51
6月定例会も終わりました。
今回は議案が少なかったのですが、3つだけ報告します。
1、安曇野に新しい産業団地は作るべきか
豊科高家にあるアルプス産業団地の残り1区画を、
山梨にあるリフトなど作業用車両を扱う事業者が購入することが決まり、
そのための関係補正予算が可決されました。
ずっと売れずに残っていた未活用の土地だったので、まずは売れたことは良かった。
これで市内に複数ある産業団地のすべての区画が埋まりました。
ということは、今後事業者が安曇野で新規に事業を展開するには、
既存の民間施設の空き工場跡地か、新たに産業団地を形成するしかない。
「市内で事業をする法人が増えれば、雇用が生み出され、税収が上がる。」
ということが言われますが、そのためには新たな産業団地を形成して、
事業者を呼び込むべきでしょうか?
市の単独の財源(自主財源)が3割弱、国や県に依存する財源が4割強。
市内で産業が興れば、自主財源の割合は高まるでしょう。
雇用が生まれ、人口の流出も止まるかもしれません。
一方で産業団地を新たに形成するということは、それだけの開発を意味します。
既に安曇野インターの東側5.8ヘクタールの開発計画が民間主導で進んでおり、
西側にあるスワンガーデンのような商業施設ができるようです。
市行政は民間主導の計画なので、深い関与はしていないとのこと。
この5.8ヘクタールとは別に、さらにその北側80ヘクタールの農地を開発すべきだ、
という意見もあるのですが、ここは規制がかかり開発が難しいとされています。
それでも何とかこじ開けてでも開発し、産業団地を作って企業を呼び込まないと、
市の財政に明日はない、というのが開発論者の弁です。
安曇野の田園風景を守るというのが私のスタンスですが、
一方で議員としての4年間、市の財政状況なども分かってきて、
さらに安曇野市の行く末を考えた時に、80ヘクタール全部を開発すればいいとは思いませんが、
新たな産業団地は必要なのかなとも思うようになりました。
安曇野市の将来のグランドデザインが必要です。
みなさんはどう思いますか?
2、共謀罪法案の廃案を求める陳情の議論
市民グループから共謀罪法案の廃案を求める陳情が出されていましたが、
議会中に法律が成立しました。
もはや法案でなく法になったため、法案廃止を求める陳情を議論することは無意味だ、
という意見を言う議員もいた中での陳情審査になりました。
最終日の討論では、陳情の趣旨や願意を汲み取り、この陳情を採択し、
国に対して法の廃止を求めるべきだという意見をはじめ、陳情賛成の意見が多数出ました。
しかし採決の結果は反対多数で陳情は不採択に。
以下はこの動向に興味を持って傍聴に来ていた市民の感想。
「賛成意見がたくさん出ていたので採択されるのかなと思ったら、
フタを開けてみたら反対者が多くて不採択になってしまった。
反対した人は何で反対したのかが分からなかった。
大した考えもなく、なんとなく反対してるんじゃないかといぶかってしまう。
こんなふうに決まってしまうことが納得できない。」
この方は議会傍聴が初めてとのことで、
多くの普通の市民の方が聴いたら同様に思うのではないでしょうか。
しごく全うな意見だと思います。
4年経ってもまだしっかりと真正面から議論しあえないのが残念です。
最下部に私が発言した反対意見を載せます。
3、宮澤市長は出処進退を明言せず。
今定例会でも結局出るか、出ないかを発言しませんでした。
市長選については、また改めて発信しますね。
望三郎議員の共謀罪法案の廃案を求める陳情についての反対討論
陳情に賛成の立場で発言いたします。
共謀罪法成立にあたり、政治学者の姜尚中(カンサンジュン)氏が
信濃毎日新聞に次のようにコメントを載せています。
「共謀罪は心を裁くことだ。戦後民主主義が堅持してきた
『国家は内心に介入してはならない』という原則が破られた。
監視社会が到来するとの懸念も示されたが、国民に広く浸透しなかった。
これまでは監視社会と聴けば、息が詰まるような印象を受けたものだが、
今はむしろ国による監視や庇護(ひご)を望む風潮を感じる。
日本では『自分たちが国の主人公』との考え方がいつになっても定着しない。
この先に何があるかは歴史から容易に想像できる。
『お上にすべてお任せ』という考え方を捨て、
自らが国の行く末に責任を持つ姿勢が求められる。」
今回の共謀罪の成立により、
政治権力によって異論や抵抗が抑え込まれていくことが懸念されています。
私は権力からの抑圧だけでなく、姜尚中氏が言われるように、
我われ自身が監視や庇護を望み、権力に迎合・忖度する、
そんな思考停止状態に陥ってしまうことを恐れています。
人間の精神は弱く、楽な方、無難な方、大多数の方を無自覚に選んでしまいます。
戦前、反戦を唱える人はごくわずかでした。
思想統制されるとともに、
自らもその思考停止の檻(オリ)の中にはまり込んでいったのではないでしょうか。
小林多喜二のような例は稀であったと思われます。
その反省から、
日本国憲法で「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」
と精神の自由、内心の自由を最高法規の中で保障したわけです。
しかし共謀罪法はその自由をおびやかしかねません。
国家からの監視が強化されるにもかかわらず、
一方で内心の自由をどのように保障していくのかが明確にされていないのです。
精神の自由をおびやかす共謀罪法は廃止すべきです。
よってこの陳情の趣旨に賛成いたします。
尚、我われ議員も忖度議会、忖度議員になっていないかを常に顧み、
内省し、市政・国政について真に内心からの発言をしていくことを一言付け加えさせて頂きます。
今回は議案が少なかったのですが、3つだけ報告します。
1、安曇野に新しい産業団地は作るべきか
豊科高家にあるアルプス産業団地の残り1区画を、
山梨にあるリフトなど作業用車両を扱う事業者が購入することが決まり、
そのための関係補正予算が可決されました。
ずっと売れずに残っていた未活用の土地だったので、まずは売れたことは良かった。
これで市内に複数ある産業団地のすべての区画が埋まりました。
ということは、今後事業者が安曇野で新規に事業を展開するには、
既存の民間施設の空き工場跡地か、新たに産業団地を形成するしかない。
「市内で事業をする法人が増えれば、雇用が生み出され、税収が上がる。」
ということが言われますが、そのためには新たな産業団地を形成して、
事業者を呼び込むべきでしょうか?
市の単独の財源(自主財源)が3割弱、国や県に依存する財源が4割強。
市内で産業が興れば、自主財源の割合は高まるでしょう。
雇用が生まれ、人口の流出も止まるかもしれません。
一方で産業団地を新たに形成するということは、それだけの開発を意味します。
既に安曇野インターの東側5.8ヘクタールの開発計画が民間主導で進んでおり、
西側にあるスワンガーデンのような商業施設ができるようです。
市行政は民間主導の計画なので、深い関与はしていないとのこと。
この5.8ヘクタールとは別に、さらにその北側80ヘクタールの農地を開発すべきだ、
という意見もあるのですが、ここは規制がかかり開発が難しいとされています。
それでも何とかこじ開けてでも開発し、産業団地を作って企業を呼び込まないと、
市の財政に明日はない、というのが開発論者の弁です。
安曇野の田園風景を守るというのが私のスタンスですが、
一方で議員としての4年間、市の財政状況なども分かってきて、
さらに安曇野市の行く末を考えた時に、80ヘクタール全部を開発すればいいとは思いませんが、
新たな産業団地は必要なのかなとも思うようになりました。
安曇野市の将来のグランドデザインが必要です。
みなさんはどう思いますか?
2、共謀罪法案の廃案を求める陳情の議論
市民グループから共謀罪法案の廃案を求める陳情が出されていましたが、
議会中に法律が成立しました。
もはや法案でなく法になったため、法案廃止を求める陳情を議論することは無意味だ、
という意見を言う議員もいた中での陳情審査になりました。
最終日の討論では、陳情の趣旨や願意を汲み取り、この陳情を採択し、
国に対して法の廃止を求めるべきだという意見をはじめ、陳情賛成の意見が多数出ました。
しかし採決の結果は反対多数で陳情は不採択に。
以下はこの動向に興味を持って傍聴に来ていた市民の感想。
「賛成意見がたくさん出ていたので採択されるのかなと思ったら、
フタを開けてみたら反対者が多くて不採択になってしまった。
反対した人は何で反対したのかが分からなかった。
大した考えもなく、なんとなく反対してるんじゃないかといぶかってしまう。
こんなふうに決まってしまうことが納得できない。」
この方は議会傍聴が初めてとのことで、
多くの普通の市民の方が聴いたら同様に思うのではないでしょうか。
しごく全うな意見だと思います。
4年経ってもまだしっかりと真正面から議論しあえないのが残念です。
最下部に私が発言した反対意見を載せます。
3、宮澤市長は出処進退を明言せず。
今定例会でも結局出るか、出ないかを発言しませんでした。
市長選については、また改めて発信しますね。
望三郎議員の共謀罪法案の廃案を求める陳情についての反対討論
陳情に賛成の立場で発言いたします。
共謀罪法成立にあたり、政治学者の姜尚中(カンサンジュン)氏が
信濃毎日新聞に次のようにコメントを載せています。
「共謀罪は心を裁くことだ。戦後民主主義が堅持してきた
『国家は内心に介入してはならない』という原則が破られた。
監視社会が到来するとの懸念も示されたが、国民に広く浸透しなかった。
これまでは監視社会と聴けば、息が詰まるような印象を受けたものだが、
今はむしろ国による監視や庇護(ひご)を望む風潮を感じる。
日本では『自分たちが国の主人公』との考え方がいつになっても定着しない。
この先に何があるかは歴史から容易に想像できる。
『お上にすべてお任せ』という考え方を捨て、
自らが国の行く末に責任を持つ姿勢が求められる。」
今回の共謀罪の成立により、
政治権力によって異論や抵抗が抑え込まれていくことが懸念されています。
私は権力からの抑圧だけでなく、姜尚中氏が言われるように、
我われ自身が監視や庇護を望み、権力に迎合・忖度する、
そんな思考停止状態に陥ってしまうことを恐れています。
人間の精神は弱く、楽な方、無難な方、大多数の方を無自覚に選んでしまいます。
戦前、反戦を唱える人はごくわずかでした。
思想統制されるとともに、
自らもその思考停止の檻(オリ)の中にはまり込んでいったのではないでしょうか。
小林多喜二のような例は稀であったと思われます。
その反省から、
日本国憲法で「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」
と精神の自由、内心の自由を最高法規の中で保障したわけです。
しかし共謀罪法はその自由をおびやかしかねません。
国家からの監視が強化されるにもかかわらず、
一方で内心の自由をどのように保障していくのかが明確にされていないのです。
精神の自由をおびやかす共謀罪法は廃止すべきです。
よってこの陳情の趣旨に賛成いたします。
尚、我われ議員も忖度議会、忖度議員になっていないかを常に顧み、
内省し、市政・国政について真に内心からの発言をしていくことを一言付け加えさせて頂きます。
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