前置き)
今回とっても長い文章になりました。
でも大事なことを書きましたので、頑張って読んでください。
3月定例会も17日の本会議で最終日です。
この日は新年度予算案をはじめとする各議案の採決を行います。
いくつか定例会の様子を報告します。
1、予算案の修正案を提出しました。
本日、予算案の修正案を議員提出議案として提出しました。
これは行政側が出してきた予算案に反対の場合に、単に反対するだけでなく、
もう一歩積極的に踏み込んで修正案を出すというものです。
修正案に賛同し署名した議員は荻原、小林、猪狩、増田望三郎の4議員。
本会議では私が提案説明をします。
修正案の内容ですが、今回行政側が出してきた予算案では、
体育館整備の件で、基本計画に基づく基本設計の作成料、地質調査などで
6678万1千円の予算が計上されていましたが、それを削除するというものです。
理由は、市が出してきた今回の基本計画が整備費用38億円を前提とした内容となっており、
12月定例会で出された整備費用の圧縮を求めた市民の陳情や
議会の提言を汲んだものになっていないため、反対するというものです。
再度仕切り直しして、整備費用を圧縮した基本計画を立てるべきだと思っています。
体育館整備の基本計画は以下から見れます。
https://www.city.azumino.nagano.jp/site/kyoiku/34217.html2、 「多様な教育機会の確保を求める」陳情は、委員会では賛成多数で採択されました。
では、最終日本会議ではどうなるでしょう?委員会は、
賛成:小林、、黒岩、坂内、井出、増田の5名。
反対:小松洋一郎、中村今朝子議員の2名。
9月、12月と継続審査になっていたこの陳情。
委員会でも市の民間の教育機関を視察に行くなどの経過を経て、
今回どうなるのか注目していました。
と言っても、私は所属する委員会なので、当事者ですが。
また今回の一般質問でも
「多様な教育機会の確保を求める」内容で質問をしていました。
さて最終日にはどのような結果になるでしょうか。
賛成・反対のいずれにしても、ちゃんと議論をし合った上での結果を出したいものです。
委員会の賛成議員には賛成討論をして頂きたいし、
反対議員にも、その理由を明確に述べてもらいたいです。
最終日の見どころは、この2つでしょうか。
最後に、以下に昨日の日曜日に中学校を卒業した娘の式でのスピーチを紹介します。
また今回の定例会での一般質問の発言内容を載せます。
娘は小学校の5年の2学期に地元の公立小学校から山梨にある私立の
「子どもの村小学校」に転校しました。
そのままそこの中学校に進学し、4年半の間寮生活をしながら学園生活を送りました。
この学校の理念である、教師が指示や管理をしない自由な環境の中で、
伸び伸びと自分のやりたいことをやってきた学校生活だったようです。
娘にとって・・・と考えた時に、いい教育環境を与えることができたなと思っています。
娘のスピーチ(ブログより)
http://www.plays.jp/adiary/diary2.cgi?id=boetu&action=view&year=2017&month=3&day=12#3_12娘のスピーチ(フェイスブックでの動画)
https://www.facebook.com/boetu/posts/1674687802546579一方で、今私は安曇野に暮らし、安曇野市の議員として、
安曇野の子どもたちの幸せのために働く仕事に就いている。
今の学校教育が、より子どもたちが輝く場になっていくために、
またそこには収まりきれない子どもたちに、
彼らが輝く教育機会づくりのサポートをすることが、自分のやりどころだと改めて思いました。
それが以下の質問内容です。
平成29年3月定例議会・一般質問
テーマ『子供たちのために、我々はどのような教育を用意していくのか』
子どもは社会の宝、安曇野の子どもたちは安曇野の宝です。
今回は、子どもたちがキラキラと輝く笑顔で育っていけるように、
「我々はどのような教育を用意していくのか。」というテーマで質問してまいります。
まずは子どもたちが日々過ごす学校教育についてお尋ねします。
質問1)H27年4月に教育委員会制度が変わり、市長には教育長の任命や総合教育会議の招集など、
今まで以上に教育行政への権限と責任が増しました。そこでまず市長の学校教育観をお聴きします。
市長は今現在の学校教育をどのように捉えていますか。
答弁1)市長
子どもたちにとって学校は楽しい、授業は面白い、そんな魅力的な学校になっているでしょうか。
先頃文科省より次期学習指導要領の改定案が出されました。
注目されるのは、「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を求める」という点です。
質問2―1)主体的な学びと言う点では、アクティブ・ラーニングという取り組みが注目されています。
教師が一方的に教えるのではなく、話し合いや体験などを取り入れた能動的な学習法のことです。
今回の改定案からアクティブ・ラーニングの言葉は削除されましたが、
それに代わる「主体的・対話的で深い学び」という概念が表現されています。
この「主体的・対話的で深い学び」という概念をどう現場で実践していくのでしょうか。
学校現場での取り組みが既にあればその事例も含めてお願いします。
答弁2-2)教育長
「自ら課題を見つけ、自ら考え、よりよく問題を解決する能力を育てる」という点では
「総合学習」がこれまでもあったわけですが、週に一度の特別な時間ということでなく、
「主体的・対話的で深い学び」を全ての教科において取り組むということです。
これは先生にとっても、やりがいのある、やりたかった教育ではないかと思います。
質問2-2)しかし教えることがたくさんあって、一方的になりがちな学校教育の中で、
先生方個人の力量に依るところが大きいようにも思うのですが、
その点はどう指導の質を担保するのでしょうか?
答弁2-2)教育長
さて、今回の指導要領でうたう「主体的・対話的で深い学び」
を子どもたちが遊びの中で体得している市の取組があります。それは自然保育です。
豊かな自然や里山環境を活かした野外体験を通じて、子どもたちの知的好奇心や感性が豊かに育まれ、
コミュニケーションや社会性、自己肯定感の向上が期待されるというものです。
この自然保育をリードしてきた民間の認可外保育、いわゆる野外保育園に対して、
市は県内でいち早く補助を始めました。
さらに公立保育園全園においても信州型自然保育認定制度の普及園として自然保育を取組んでいます。
公・民の取組みの深い浅いはありますが、
安曇野市における就学前の子どもたちの育ちは自然保育で、というのが市の方針と言えるのです。
質問3-1)そこでお尋ねします。自然保育で育ち、感性を磨いてきた子どもたちが小学校に入学してくるわけですが、
小学校教育はそれをベースに置いた、一貫した教育をやっているのでしょうか?
例えば小学校の先生は自然保育の現場を見学して、その取組みや教育効果を認識しているのでしょうか。
答弁3-1)教育長
ここでこの項目を質問するにあたり、小学生の親たちにヒアリングしたところ、
野外保育園に送っていた方が次のような意見を寄せてくれました。
「娘が一年生だった頃のある日、沈んだ様子なので理由を聞いてみると
『学校は、自由じゃない』とぽつりぽつりと話してくれました。先生が何でも決めてしまう。
子どもにあれこれ指図して、うまく時間内に出来ないと一方的に怒る。
自分が怒られているのではなく、友だちが怒られている場面を見ても息苦しく感じる。
保育園では先生方が子ども一人一人を尊重し、一人の人間として扱ってくれました。
カリキュラムの大枠は大人がつくったものですが、子どもが自由に出来る空間がたくさんあったのです。
その中で子どもたちは安心して「自由」を楽しみ、
ありのままの自分を尊重されることで安心感を得て過ごしていました。
これはかけがえのない経験でした。
子どもに自由など与えるとめちゃくちゃなことをすると思うかもしれませんが、
それどころか時間をかけてしっかりと付き合っていけば、
責任をもったひとりの自立した人間としてふるまうようになります。
尊重され、安心して自由を謳歌するなかで自信をつけ、
自己肯定感にあふれて、子どもたちは卒園していきます。
ところが小学校へ入った途端、「子どもは半人前」扱いされ、管理され、自信がゆらいでしまいます。
おかしい、窮屈だ、自由じゃない・・・と感じながらも、子どもはうまく言葉にすることが出来ません。
現在、娘は不登校にはならずに自分なりに折り合いをつけて毎日学校へ通っているようです。
このようなギャップを感じながら一生懸命子どもたちは頑張っていることを、理解してもらえたら嬉しいです。」
ここまでです。
質問3-2)教育長、この親御さんの意見をどう受け止められますか?
答弁3-2)教育長
子どもが迷ったり間違えたりしながら、自分で感じたり、考えたり、判断すること。
その時間とチャンスを奪われ、大人の価値観を一方的に押し付けられたり、
性急に答えだけを与えられたり、指示されるような環境では、
「主体的・対話的で深い学び」は決して得られません。
学校教育においても、週に1度でも、自然と触れ合い、遊んだり学んだりする時間、
または何も決めないで子どもたちに、その時間のすべてを任せる時間を作れないでしょうか。
そんな時間を作れば、子どもたちから何が生まれてくるでしょうか。
質問4)さて次年度から市のコミュニティスクール事業が始まります。
これについては、既に同僚議員が質問されていますので、
私は「主体的・対話的で深い学び」という観点で、学校教育がどう変わっていくのかをお尋ねします。
答弁4)教育長
私も地域住民の一人として、三郷小5年生のアイガモ農法による米づくりに関わっています。
今から学校の先生にはなれませんが、学校づくりに関われる喜びを感じています。
そのように感じる地域の大人たちは、きっとたくさんいると思います。
一方子どもたちには地域の様々な魅力的な大人に触れてもらいたいと思います。
「子ども一人を育てるには村が一ついる。」とは県内小学校のある校長先生の言葉ですが、
学びの共同体をコミュニティースクール事業を通じて作っていきたいと思います。
ここまで学校教育の中身について述べてきました。
自然保育で培われたものをベースに、アクティブラーニングやコミュニティスクール等の取組で、
学校が子どもたちにとって深い学びの実現ができる場になっていく。
先生もワクワク、子どもたちもワクワクする、そんな学校づくりを共にしていきたいと思います。
2番の質問にまいります。
一方で既存の学校には収まり切れない子どもたちもいます。
何らかの原因や事由で不登校になった子どもたちです。
さらに新たな教育の場を選択した子どもたちもいます。
こういった子どもたちを市がどう見ていくのでしょうか。
質問5)昨年12月に「教育機会確保法」が成立しました。この法律は端的に説明すると、
「不登校の子どもたちを無理に学校に戻さなくていい、不登校のまま支援せよ。」というものです。
不登校と聴くとマイナスなイメージで捉えてしまい、イジメなどの原因は別としても、
あたかもその子どもに何か弱さや問題があったのかと思いがちです。
それをまず払拭しなければなりません。
今、この議場において、「不登校は問題行動ではない。」ということを確認したいと思います。
教育機会確保法の理念をどう捉えているのかということも含めてお答えください。
答弁5)教育長
教育機会確保法では、「個々の不登校児童生徒の休養の必要性」を規定しています。
大事なのは、「子どもの状況によっては、まずはじっくり休んでいいよ。」
という我われ大人の、社会のスタンスなのです。
不登校のお子さんを持つ母親と話した際にこう言われました。
「学校復帰が前提だと、行くか行かないかになってしまう。行けば良しとなる。
頑張って行ってエネルギーを使い果たし、疲れ切ってしまう。まずは絶対安心の場が必要なんです。」と。
質問6-1)この点で、市の不登校への取組はどんなものでしょうか。
特に子どもにとっての安心の場ということで、
学校以外の居場所・受け入れ機関の現状についてお尋ねします。
答弁6-1)教育長
質問6-2)本年から新たに始まった教育支援センター、これはどのように機能していますか?
また支援センターや学校内の中間教室は、
不登校の児童生徒のうちのどれだけの子どものとまり木になっているのでしょうか?
答弁6-2)教育長
今回このテーマを取り上げるにあたり、学校教育に関わる様々な方たちと意見交換をさせて頂きました。
飯島指導室長をはじめ、指導支援員や自然保育を取組む方、不登校の親御さんや不登校経験のある子ども自身。
そんな中で私なりに見えてきたことがあります。
それは子どもに関する問題はその子自身だけでなく、
家庭や地域など様々な複合的要素に起因しているということです。
そのため、従来の学校教育の枠組みの中だけでは、
その子供にとっての最善の解決策が導けなくなっているのです。
不登校支援においても、一人一人の子どもにとってどうかを考える。
その子どもの特性を診断する医療的なケア、家庭環境をどう支援するのかという福祉的なケアなど、
より多重的にサポートする必要があります。
教育センターもより一層、教育、福祉、医療の連携をとって、充実させていってほしいと思います。
続けます。さらに「一人一人の子どもにとって」と考えた時に、
オルタナティブスクールやフリースクールなど、新しい教育を選択する親や子どもたちもいます。
学校教育は完全ではありませんので、学校環境に合わない子どももいて当然です。
一人一人に合った教育を選択できるように、多様な教育機会を認めていけないかということが次の質問です。
質問7)残念ながら今回成立した教育機会確保法では、
当初のフリースクールの支援部分が大幅に削られてしまい、
まだまだオルタナティブ教育についての支援の枠組みはできていません。
しかし全国各地でも、またこの安曇野市でも既にそういった試みは始まっています。
これまでの学校教育とは違う新しい教育機会の創造を市がどう認め、
連携していくのかと言うことをお尋ねします。
答弁7) 教育長
子どもたちの一人一人をかけがえのない宝とし、一人一人の個性や特性を見極め、
伸ばしていくことが本当の教育だとしたら、その教育は多様であるはずで、
そんな多様な教育実践をサポートしていくこともまた行政の役割だと思います。
教育の主体は学ぶ子どもたちです。
チルドレンファースト、主体を子どもに置くという価値観の転換なしに教育は何も変わらないでしょう。
安曇野市教育を、教育者の底力を見せて頂き、我々も共に頑張りたいと思います。
それでは最後に主権者教育について質問いたします。
私は主権者とは、権利も責任も含めて、自分のまち、自分の国の主体者になるということ。
そして自分の人生を自分らしく主体的に生きて、この社会と関わっていくことだと思っています。
主権者教育は、他人任せではなく自分がどうしていくのか、
と言う主体者教育と言ってもいいかもしれません。
質問8)この主権者教育の取組みとして、現在中学生議会をやっていますが、
この取り組みの検証についてお聞かせください。
答弁8)教育長
先日、近所の中学生から、
「学校の公民で地方議会の事を習ったのだけど、安曇野市はどうなっているの?」と質問を受けました。
学校で学んだことを、すぐにわが市の事に繋げて疑問を持つという姿勢に私は感動しました。
「3月議会の傍聴に来てみては?」と誘ったのですが、
その子は受験生のため残念ながら今回は来れませんでした。
ちなみに明後日受験日です。安曇野の中学3年生、頑張れ!エールを送ります。
こういった子どもたちに、もっと議会・議員の姿を見せたい。
行政主導でやる中学生議会もいいですが、議会側からの主権者教育をもっとやりたいです。
これは議長はじめ、同僚議員のみなさんに呼び掛けたいことでもあります。
我々議員が中学校や高校を回って、議会・議員の仕事を説明するのです。
やりがいや喜びを伝えていくのです。
市の取組として他にも各中学校で立志塾を行っていますが、
その中にキャリア教育として議員を入れ込む。
公民の授業で議会傍聴に出かけ、議会を直に見てもらう。
質問9)そんな取り組みの中で、議会や議員の役割を子どもたちが知っていく。
政治や議員という仕事を身近に感じていく。
そんな主権者教育の取組をやっていけないでしょうか。
答弁9)教育長
「13歳のハローワーク」という本があります。
様々な職種を子どもたちに向けて分かりやすく説明し、どうすればその仕事につけるのかを書いた本です。
その本の出版社のウェブサイトにある職業人気ランキングを見ますと、
政治家は上位100位にも入っていません。子どもたちの目に議会や政治家は映ってないんですね。
それが若年層の投票率の低さ、地方議員の平均年齢の高さに結果として現れています。
私は、安曇野の子どもたちが、安曇野を愛し、安曇野をいい街であり続けられるように頑張りたい、
そう思える子どもたちを育てたいと思います。
大人になって安曇野のために働こう、そう思った時に、市議になろう、
そう思えるような、そんな中身の主権者教育をしていきたいと思っています。
質問10)では最後に市長にお尋ねします。
市長はこの3年半の間、政治家としてどのような姿を子供に見せてきましたか。
答弁10)市長
ありがとうございます。
この秋以降もまだお見せになるのか、どうなのか。その点が気になるところです。
私も子どもたちから目指される政治家になろうと思います。
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