9月定例会、体育館建設計画について
- 2016/09/13
- 23:09
9月定例会も一般質問、委員会審査が終わり、
残すところ最終日の議案採決だけとなりました。
体育館計画については私も含め山田議員、竹内議員他の議員が取り上げました。
最下部に参考までに私の一般質問の発言原稿を載せておきます。
また行政側との実際のやりとりは、以下の一般質問の動画アーカイブも見れます。
興味ある方はリンク先の平成28年9月定例会の9月2日本会議一般質問をクリックしてみてください。
7人目最後に増田望三郎の一般質問が出てきます。
http://smart.discussvision.net/smart/tenant/azumino/WebView/list.html
さらに一般質問に続いて行われた福祉教育委員会。
その場で行政側から「敷地の外に建設用地を求める」という内容の発言がありました。
市長は議会初日のあいさつでもそのようなことを匂わしていたのですが、
委員会での説明ということでいよいよ具体化させていくようです。
1か月前の市民説明会ではそのような話は一切していないのに、
こうやって少しづつなし崩し的に進めていく市長のやり方には、
さすがに多くの議員が憤っていました。
私は、もはや部長では答弁できず、市長を招聘しての全員協議会(全協)の場で、
天下分け目の議論をしなければならないと思い、それを議長に伝えました。
また本日9月13日に私の所属会派「民心・無所属の会」としてその旨の申入書を出しました。
この全協、市長を招聘しての全協が開催できるかどうか。
浜議長の本気と腕の見せ所です。
またこの全協、市民のみなさんにとっても見ものです。
議会が議会としての機能・役割を果たせるかどうか。
市民のみなさんはそこを注視してください。
議員1人の力でひっくり返すことは無理ですが、
議会の中でなんとかコンセンサスを取り付け、
またみなさん方のように市民の声を上げてくださる人が増えていけば、
議会と世論とがこの市長の暴挙を止められる、と信じて行動しています。
引き続き、この問題を注視してください。
一般質問発言原稿
※これは質問の際に用意した原稿のため、市長側の答弁は入っていません。
また下原稿のため、実際の質問についてはまったく以下の通りではありません。
詳細はアーカイブをご覧ください。
テーマ『大規模体育館建設計画の見直し・修正を』
「大規模体育館建設計画の見直し・修正を」というテーマです。
南部総合体育館の建設計画について行政の市民説明会、
議会の「市民の意見を聞く会」が行われました。
推進、反対、様々な意見が出ましたが、この計画の最大の焦点はその規模です。
現時点での市が示す施設面積は6100~8450㎡。整備費用にして28~38億円。
果たしてこれだけの多額な費用による大規模施設の建設は本当に必要なのでしょうか。
11月には基本計画案が出され、来年1月には基本計画が策定されれば、計画が進んでいきます。
土壇場で予算案を議会が否決、とならないよう、この計画の見直し・修正を訴えるものです。
この問題、今回は市長と侃々諤々(かんかんがくがく)議論し合いたいと思います。
筋書通りには事が進まないかもしれませんがよろしくお願いします。
質問1-1)
まず市長にお伺いします。そもそも規模の見直しはあり得るのでしょうか。
まずはYESorNOでお答えください。
答弁1)市長
質問1-2)
見直しがあり得るとしたら、それはどのような場合ですか。
先の市民説明会では課長が
「規模については意見を伺いながら決めていきたい」と言われましたが、
両端に割れた意見をどう集約させていくのでしょうか。
答弁1-2)市長
では具体的な質問に入っていきます。
まず6月に示された公共施設再配置計画の観点から。
再配置計画とは総延床面積42万8千㎡もの全ての市の施設を
今後も維持していくことは財政的には困難なので、
廃止や統合をして3割減の28万7千㎡まで減らしていくというもの。
その内スポーツ施設は9.6%の減、面積で2476㎡を減らさなければなりません。
ところが今回の8450㎡の体育館を建てる計画だと
南社会体育館1653㎡の廃止分を差引いても6797㎡の増になります。
ということは体育館建設による増の約6797㎡+再配置計画の達成値の2476㎡の
合計9273㎡にあたるスポーツ施設を今後廃止していくという計算になります。
耐用年数の古い屋内施設の三郷体育館、明科体育館、豊科弓道場、
さらに豊科、穂高、三郷、明科、堀金にそれぞれある柔剣道場の施設、
全てを足しても5879㎡で、これらをすべて廃止にしてもまだ足りないのです。
大きな体育館を建てれば建てるほど、
各地域にある施設は廃止に追い込まれていくわけです。
質問2-1)
市長に伺います。
「大きな体育館を建てて拠点化を進めるということは、
地域にある身近な施設が閉じられていくということを意味する。」
という認識でよいでしょうか。
答弁2-1)市長
質問2-2)
11月に基本計画案が出てきて再度地域で説明会をするとのことですが、
その際に、「拠点施設となる8450㎡の体育館を豊科に作ります。
その代わり各地域にある体育施設は廃止になるものが出てきます。」
ということをちゃんと説明できますか。
このことを市民に伝えずして、大規模施設の良さだけを言うことは間違っています。
その説明ができますか。
答弁2-2)市長
質問3-1)
今回の計画と議論の象徴的な言葉になった「国体基準」。
けして国体誘致のためにこれだけの規模のものを建てるとは思っていませんが、
では、いったいどのような大会の開催を考えているのでしょうか。具体的にお答えください。
答弁3-1)市長または教育部長
全国大会を行う松本市の総合体育館を視察しました。
施設面積、松本が12600㎡、安曇野が8450㎡。
しかしメインアリーナ部分は松本2535㎡、安曇野2378㎡とほぼ同じ大きさです。
ではどこに違いがあるのか。
それは席数が3600席、サブアリーナの大きさ、大小の会議室、事務室、
応接室、食堂などで、大規模大会をやるにはそういったものが必要になるわけです。
国体規模の大会なら客席が5000席は要るというのは県内バレーボール強豪校の監督の談です。
つまり大規模大会をやるには8000㎡ぐらいでは小さい。
様々なイベントを行い、興行収入を得るべきだという意見もありましたが、
計画にある2000席前後の観客席では黒字は生み出せません。
全国レベルの大規模大会や興行誘致は難しく、アマチュアの県大会ぐらいなのです。
だとしたら、それは今の穂高体育館を中心とした現施設で済むわけです。
昨年度の市での県大会以上の開催実績は室内競技で14大会。
内8大会が穂高体育館を使用しています。拠点体育館の役割を果たしています。
そもそも穂高を拠点施設にすると言って10億円もの大規模改修をしたわけですから。
27年度の市の体育館アリーナ使用状況が97%。
確かに現状は施設が足らないのかもしれないが、先の公共施設再配置、
また少子化の観点からも現状施設でしのいでいくべきだと思います。
質問3-2)この点いかがでしょうか。
答弁3-2)市長または教育部長
ではどうやってしのいでいくか。それは広域連携です。
7月の市長の定例記者会見の中で、
松本市の「連携中枢都市圏(れんけいちゅうすうとしけん)構想」
に市長も協力していく意向を示したとの記事がありました。
質問4-1)
このような大規模体育館や今後必要となる大規模施設は、
市単独で作らずに、近隣市と協力し合って作るという方向に進むべきではないか。
答弁4-1)市長
ではいよいよ財政計画の観点から質問していきます。
このたび示された財政計画では平成29年度から4年にわたり
34億4千万円の体育館建設事業費が組まれています。
財源は合併特例債。自治体の収入に対する負債返済の割合を示す
実質公債費比率も平成34年度まで11%~12%台で推移しています。
質問5-1)机上の計算ではこうやって数字が置けるわけですが、
将来世代に過度な負担にならないのでしょうか。
市長、この大規模な計画は財政的に大丈夫と言える根拠を2~3点、
具体的に示して頂けますか。
答弁5-1)市長
しかしそれらの説明を揺るがす要素がいくつもあるわけです。
まず①つ目は建設費の増大です。
建設年度31、32年度はオリンピック準備とまるかぶりで資材高騰が確実です。
塩尻市の体育館は坪単価110万円で約28億としていたのですが、
坪単価を1.4倍の150万円に変更し、4億~13億円の増加の可能性があるとのこと。
安曇野は坪単価130万円で算出していましたが、
これを塩尻市と同様に150万円と想定すると建設費用だけで当初より約5億円の増になります。
さらに②つ目に用地費の増大。
当初の予定を変更し施設本体を敷地外に作るとの市長発言。
その分の用地買収が必要になります。
当初は用地費・駐車場整備費等で4~5億円としていましたが、これも確実に増えます。
さらに③つ目。
これもオリンピックの影響ですが、特例債期限の32年度中に建て終わるのか。
財政計画を見ると最終年度32年度の特例債起債額は9億4千万。
これが1年ずれ込んでしまい特例債が使えなくなると
単純計算で市の負担は3100万円増え、毎年4700万円の返済が20年続きます。
④つ目に維持費。
全協での配布資料では人件費を含まず2300万という数字が出ました。
これに人件費がどれだけ足されるのか。
ちなみに松本市総合体育館の場合、指定管理料8132万円、
その他修繕料などを含むと約1億の経常経費です。
使用料を差し引いても約7300万円の赤字。これを松本市が毎年負担しています。
参考までに施設面積の割合だけで計算すると安曇野市の体育館は4900万円の赤字になります。
⑤つめに基金残高です。
財政調整基金、減債基金、公共施設整備基金の主要3基金残高は
26年度決算で109億あったものが平成34年度見込みでは39億円と
たった8年で約3分の1になる計画です。
安曇野における大規模地震発生の可能性が高くなりましたが、
そういった場合、復興費用は持ち応えられるのでしょうか。
今挙げたことはいずれも起こりうることばかりです。
そうなれば、この財政計画の数字などあっという間に変わってしまいます。
実質公債費比率も起債に許可が必要となる18%が近づいてきます。
砂の上、ガラスの上の財政計画です。
財政計画が悪いとは言いません。
社会的な要因により、いくらでも変わり得る可能性がある中で
現時点での財政計画を立てるしかない。
だからこそ大きな社会的変化に対応できるように慎重な計画であるべきだと思うわけです。
質問5-2)市長、
答弁5-2)市長
質問5-3)市長、この計画、38億円未満で収めるのか。
それとも行くところまで行くのでしょうか。
答弁5-3)市長
さてこれだけの多額な費用のかかる体育館建設計画を
市民に対してどう説明をしていくかです。
11月に基本計画案が出され再度説明会をするとのこと。
前回は財政的な説明は一切ありませんでした。
今度は財政面からの説明をしてください。
また市の広報でこの基本計画案をしっかり掲載できますか。
基本計画ではないですよ。
案の段階のものをです。整備費用、維持費用、
それに対しての財政計画も載せて、
「このような体育館を建設します。
財政上も問題ありません。」と堂々と説明してほしいわけです。
パブリックコメントもこの広報がなければ、
一部の人の意見で終わってしまいます。広く市民から意見を集めましょう。
質問6)市長、市の広報で基本計画案を掲載できるでしょうか。
答弁6)市長
質問7)最後に市長にどうしても聞きたくなりました。
この事業、最終年度は32年度です。
来年は市長選もあり、この体育館計画は次の市長をやられる方の事業にもなるわけです。
市長選に出る方はこの事業についての賛否をハッキリと出さなければなりません。
市長は来年の選挙で、この計画の是非を真正面から争点にして、自信を持って市民に問えますか。
市長も私も安曇野を愛する気持ちは同じでしょう。
我われ子育て世代、そして我々の子供たち、
市長のお孫さんたちが生きるこれから30年、50年の安曇野が、
汲々(きゅうきゅう)とした財政で暮らさなくていいように、
また次のバトンを受け取るリーダーが何も施策ができないということにならないよう、
どうぞ大規模施設の見直し・修正を英断して頂きたいと思います。
残すところ最終日の議案採決だけとなりました。
体育館計画については私も含め山田議員、竹内議員他の議員が取り上げました。
最下部に参考までに私の一般質問の発言原稿を載せておきます。
また行政側との実際のやりとりは、以下の一般質問の動画アーカイブも見れます。
興味ある方はリンク先の平成28年9月定例会の9月2日本会議一般質問をクリックしてみてください。
7人目最後に増田望三郎の一般質問が出てきます。
http://smart.discussvision.net/smart/tenant/azumino/WebView/list.html
さらに一般質問に続いて行われた福祉教育委員会。
その場で行政側から「敷地の外に建設用地を求める」という内容の発言がありました。
市長は議会初日のあいさつでもそのようなことを匂わしていたのですが、
委員会での説明ということでいよいよ具体化させていくようです。
1か月前の市民説明会ではそのような話は一切していないのに、
こうやって少しづつなし崩し的に進めていく市長のやり方には、
さすがに多くの議員が憤っていました。
私は、もはや部長では答弁できず、市長を招聘しての全員協議会(全協)の場で、
天下分け目の議論をしなければならないと思い、それを議長に伝えました。
また本日9月13日に私の所属会派「民心・無所属の会」としてその旨の申入書を出しました。
この全協、市長を招聘しての全協が開催できるかどうか。
浜議長の本気と腕の見せ所です。
またこの全協、市民のみなさんにとっても見ものです。
議会が議会としての機能・役割を果たせるかどうか。
市民のみなさんはそこを注視してください。
議員1人の力でひっくり返すことは無理ですが、
議会の中でなんとかコンセンサスを取り付け、
またみなさん方のように市民の声を上げてくださる人が増えていけば、
議会と世論とがこの市長の暴挙を止められる、と信じて行動しています。
引き続き、この問題を注視してください。
一般質問発言原稿
※これは質問の際に用意した原稿のため、市長側の答弁は入っていません。
また下原稿のため、実際の質問についてはまったく以下の通りではありません。
詳細はアーカイブをご覧ください。
テーマ『大規模体育館建設計画の見直し・修正を』
「大規模体育館建設計画の見直し・修正を」というテーマです。
南部総合体育館の建設計画について行政の市民説明会、
議会の「市民の意見を聞く会」が行われました。
推進、反対、様々な意見が出ましたが、この計画の最大の焦点はその規模です。
現時点での市が示す施設面積は6100~8450㎡。整備費用にして28~38億円。
果たしてこれだけの多額な費用による大規模施設の建設は本当に必要なのでしょうか。
11月には基本計画案が出され、来年1月には基本計画が策定されれば、計画が進んでいきます。
土壇場で予算案を議会が否決、とならないよう、この計画の見直し・修正を訴えるものです。
この問題、今回は市長と侃々諤々(かんかんがくがく)議論し合いたいと思います。
筋書通りには事が進まないかもしれませんがよろしくお願いします。
質問1-1)
まず市長にお伺いします。そもそも規模の見直しはあり得るのでしょうか。
まずはYESorNOでお答えください。
答弁1)市長
質問1-2)
見直しがあり得るとしたら、それはどのような場合ですか。
先の市民説明会では課長が
「規模については意見を伺いながら決めていきたい」と言われましたが、
両端に割れた意見をどう集約させていくのでしょうか。
答弁1-2)市長
では具体的な質問に入っていきます。
まず6月に示された公共施設再配置計画の観点から。
再配置計画とは総延床面積42万8千㎡もの全ての市の施設を
今後も維持していくことは財政的には困難なので、
廃止や統合をして3割減の28万7千㎡まで減らしていくというもの。
その内スポーツ施設は9.6%の減、面積で2476㎡を減らさなければなりません。
ところが今回の8450㎡の体育館を建てる計画だと
南社会体育館1653㎡の廃止分を差引いても6797㎡の増になります。
ということは体育館建設による増の約6797㎡+再配置計画の達成値の2476㎡の
合計9273㎡にあたるスポーツ施設を今後廃止していくという計算になります。
耐用年数の古い屋内施設の三郷体育館、明科体育館、豊科弓道場、
さらに豊科、穂高、三郷、明科、堀金にそれぞれある柔剣道場の施設、
全てを足しても5879㎡で、これらをすべて廃止にしてもまだ足りないのです。
大きな体育館を建てれば建てるほど、
各地域にある施設は廃止に追い込まれていくわけです。
質問2-1)
市長に伺います。
「大きな体育館を建てて拠点化を進めるということは、
地域にある身近な施設が閉じられていくということを意味する。」
という認識でよいでしょうか。
答弁2-1)市長
質問2-2)
11月に基本計画案が出てきて再度地域で説明会をするとのことですが、
その際に、「拠点施設となる8450㎡の体育館を豊科に作ります。
その代わり各地域にある体育施設は廃止になるものが出てきます。」
ということをちゃんと説明できますか。
このことを市民に伝えずして、大規模施設の良さだけを言うことは間違っています。
その説明ができますか。
答弁2-2)市長
質問3-1)
今回の計画と議論の象徴的な言葉になった「国体基準」。
けして国体誘致のためにこれだけの規模のものを建てるとは思っていませんが、
では、いったいどのような大会の開催を考えているのでしょうか。具体的にお答えください。
答弁3-1)市長または教育部長
全国大会を行う松本市の総合体育館を視察しました。
施設面積、松本が12600㎡、安曇野が8450㎡。
しかしメインアリーナ部分は松本2535㎡、安曇野2378㎡とほぼ同じ大きさです。
ではどこに違いがあるのか。
それは席数が3600席、サブアリーナの大きさ、大小の会議室、事務室、
応接室、食堂などで、大規模大会をやるにはそういったものが必要になるわけです。
国体規模の大会なら客席が5000席は要るというのは県内バレーボール強豪校の監督の談です。
つまり大規模大会をやるには8000㎡ぐらいでは小さい。
様々なイベントを行い、興行収入を得るべきだという意見もありましたが、
計画にある2000席前後の観客席では黒字は生み出せません。
全国レベルの大規模大会や興行誘致は難しく、アマチュアの県大会ぐらいなのです。
だとしたら、それは今の穂高体育館を中心とした現施設で済むわけです。
昨年度の市での県大会以上の開催実績は室内競技で14大会。
内8大会が穂高体育館を使用しています。拠点体育館の役割を果たしています。
そもそも穂高を拠点施設にすると言って10億円もの大規模改修をしたわけですから。
27年度の市の体育館アリーナ使用状況が97%。
確かに現状は施設が足らないのかもしれないが、先の公共施設再配置、
また少子化の観点からも現状施設でしのいでいくべきだと思います。
質問3-2)この点いかがでしょうか。
答弁3-2)市長または教育部長
ではどうやってしのいでいくか。それは広域連携です。
7月の市長の定例記者会見の中で、
松本市の「連携中枢都市圏(れんけいちゅうすうとしけん)構想」
に市長も協力していく意向を示したとの記事がありました。
質問4-1)
このような大規模体育館や今後必要となる大規模施設は、
市単独で作らずに、近隣市と協力し合って作るという方向に進むべきではないか。
答弁4-1)市長
ではいよいよ財政計画の観点から質問していきます。
このたび示された財政計画では平成29年度から4年にわたり
34億4千万円の体育館建設事業費が組まれています。
財源は合併特例債。自治体の収入に対する負債返済の割合を示す
実質公債費比率も平成34年度まで11%~12%台で推移しています。
質問5-1)机上の計算ではこうやって数字が置けるわけですが、
将来世代に過度な負担にならないのでしょうか。
市長、この大規模な計画は財政的に大丈夫と言える根拠を2~3点、
具体的に示して頂けますか。
答弁5-1)市長
しかしそれらの説明を揺るがす要素がいくつもあるわけです。
まず①つ目は建設費の増大です。
建設年度31、32年度はオリンピック準備とまるかぶりで資材高騰が確実です。
塩尻市の体育館は坪単価110万円で約28億としていたのですが、
坪単価を1.4倍の150万円に変更し、4億~13億円の増加の可能性があるとのこと。
安曇野は坪単価130万円で算出していましたが、
これを塩尻市と同様に150万円と想定すると建設費用だけで当初より約5億円の増になります。
さらに②つ目に用地費の増大。
当初の予定を変更し施設本体を敷地外に作るとの市長発言。
その分の用地買収が必要になります。
当初は用地費・駐車場整備費等で4~5億円としていましたが、これも確実に増えます。
さらに③つ目。
これもオリンピックの影響ですが、特例債期限の32年度中に建て終わるのか。
財政計画を見ると最終年度32年度の特例債起債額は9億4千万。
これが1年ずれ込んでしまい特例債が使えなくなると
単純計算で市の負担は3100万円増え、毎年4700万円の返済が20年続きます。
④つ目に維持費。
全協での配布資料では人件費を含まず2300万という数字が出ました。
これに人件費がどれだけ足されるのか。
ちなみに松本市総合体育館の場合、指定管理料8132万円、
その他修繕料などを含むと約1億の経常経費です。
使用料を差し引いても約7300万円の赤字。これを松本市が毎年負担しています。
参考までに施設面積の割合だけで計算すると安曇野市の体育館は4900万円の赤字になります。
⑤つめに基金残高です。
財政調整基金、減債基金、公共施設整備基金の主要3基金残高は
26年度決算で109億あったものが平成34年度見込みでは39億円と
たった8年で約3分の1になる計画です。
安曇野における大規模地震発生の可能性が高くなりましたが、
そういった場合、復興費用は持ち応えられるのでしょうか。
今挙げたことはいずれも起こりうることばかりです。
そうなれば、この財政計画の数字などあっという間に変わってしまいます。
実質公債費比率も起債に許可が必要となる18%が近づいてきます。
砂の上、ガラスの上の財政計画です。
財政計画が悪いとは言いません。
社会的な要因により、いくらでも変わり得る可能性がある中で
現時点での財政計画を立てるしかない。
だからこそ大きな社会的変化に対応できるように慎重な計画であるべきだと思うわけです。
質問5-2)市長、
答弁5-2)市長
質問5-3)市長、この計画、38億円未満で収めるのか。
それとも行くところまで行くのでしょうか。
答弁5-3)市長
さてこれだけの多額な費用のかかる体育館建設計画を
市民に対してどう説明をしていくかです。
11月に基本計画案が出され再度説明会をするとのこと。
前回は財政的な説明は一切ありませんでした。
今度は財政面からの説明をしてください。
また市の広報でこの基本計画案をしっかり掲載できますか。
基本計画ではないですよ。
案の段階のものをです。整備費用、維持費用、
それに対しての財政計画も載せて、
「このような体育館を建設します。
財政上も問題ありません。」と堂々と説明してほしいわけです。
パブリックコメントもこの広報がなければ、
一部の人の意見で終わってしまいます。広く市民から意見を集めましょう。
質問6)市長、市の広報で基本計画案を掲載できるでしょうか。
答弁6)市長
質問7)最後に市長にどうしても聞きたくなりました。
この事業、最終年度は32年度です。
来年は市長選もあり、この体育館計画は次の市長をやられる方の事業にもなるわけです。
市長選に出る方はこの事業についての賛否をハッキリと出さなければなりません。
市長は来年の選挙で、この計画の是非を真正面から争点にして、自信を持って市民に問えますか。
市長も私も安曇野を愛する気持ちは同じでしょう。
我われ子育て世代、そして我々の子供たち、
市長のお孫さんたちが生きるこれから30年、50年の安曇野が、
汲々(きゅうきゅう)とした財政で暮らさなくていいように、
また次のバトンを受け取るリーダーが何も施策ができないということにならないよう、
どうぞ大規模施設の見直し・修正を英断して頂きたいと思います。
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