１２月定例会最終日、議決の討論に注目！

１２月定例会も残すところ１７日の最終日の議決のみとなりました。
それと絡めて、今回の発信のテーマは、「議会のチェック機能」。

まずお隣の松本市議会の話。

今回の松本市議会の委員会では、縄手通りの自動昇降式の車止め設置費用
4,247万円が盛り込まれた補正予算が否決（反対）されました。
「高過ぎる」、「他で代用できる」がその理由だそうです。

委員会の否決を受けて、最終日本会議での議員全員での採決でも
否決される見通しとのこと。
市民タイムスの見出しは「市会委が『待った』」です。

予算案というのは、各種事業が盛り込まれたものを一括して予算案とし、
議員は賛成・反対を表明するのです。
今回は車止め設置が理由となって、他の事業も含めた予算案が否決される可能性があり、
松本市行政側は、それはまずいと該当部分を削除した修正案を出し、
他の事業を認めてもらおうとするようです。

松本市議会は、議会としてのチェック機能をキッチリと果たしていると言えます。

安曇野市議会では、なかなかこのようなことが起こりません。
行政側から出される案件のほとんど（いや、全てと言っていいかも）は、
そのまま可決されます。
議会が行政の追認機関と揶揄される所以です。
（何のチェックもしないで認めるだけでしょってこと）


さてここからが本題。

安曇野市の今定例会では、
豊科南部公園に建設予定の総合体育館の基本構想・基本計画を作るための
外部コンサルタントへの委託費1,400万円が含む補正予算案が出されています。

僕は今回の一般質問でも、この件を取り上げました。

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質問の趣旨：
建設費用が28億から38億円とも言われる大型事業である総合体育館の建設計画が進もうとしている。
市が策定した公式スポーツ施設整備計画では「国体基準を満たす」とあるが、
一体どれだけの大きさのものを作ろうとしているのか。
行政改革、財政負担の観点をしっかりと反映させ、市民ニーズ、民意を汲んだ体育館建設を要望する。

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市の最も優先される総合計画やそれに基づくスポーツ振興計画の中では、
「市民が健康増進のために活用する生涯スポーツのための公共施設」
という位置付であった体育館が、公式スポーツ整備計画の中で、
「国体基準の大規模大会の開催できる公式スポーツ（観戦するスポーツ）」
としての体育館に取って代わってしまっているのです。

現段階では、行政側から建設費用と維持管理費用の試算も示されず、
行政側は「まずは基本構想・基本計画を立てて、そこで具体的なことを示したい。」
と言っています。
そしてその基本構想も、この公式スポーツ整備計画（国体基準）を前提にしたもの。

果たしてこのような状況の中で、議会として、

「ハイ、どうぞ。やってください。」
「基本計画が出てきたら、議論をしますよ。」

なんてことが言えるのでしょうか。

公式スポーツの整備計画が出されたのなら、
本当にその内容でいいのかを議論しないといけないし、
その上で予算を通すか通さないかの判断をすべきです。

そこをやらずして、議会はこの予算審議においていったい何に関与したのか。
ここで通してしまえば、フリーパス状態です。

「一度立ち止まって、議会として議論しましょう。」
「議会としてチェックしたいので、行政側もきちんと建設費用、
　維持管理費用の試算を出して、考える材料を与えてください。」

そんな思いで今回の補正予算案に反対します。


こういう場合、安曇野市議会ではどういうことが起こるか。

「たった一つの事業の反対のために、補正予算案全部を反対して否決していいのか。
　そうすると他の事業が執行できなくなるぞ。」

という意見を言われる方が多いのです。これまでのところ。

でも、これは議論のすり替えで、
体育館建設計画そのものの議論から外れてしまいます。

松本市議会での車止め設置費用の場合は、そのようなすり替えがされることはなく、
行政または議会側が、車止めの部分を削除した修正案を出すわけです。

そこで今回の安曇野市議会でも、体育館建設の部分を削除した修正補正予算案を
私と荻原議員さん、小林純子議員の３人で修正予算案を提出しました。
これによって、議論のすり替えはできません。

17日最終日には、体育館建設計画そのものの議論を本会議最終日に行います。
僕は修正予算案の発議者として説明を行います。

賛成・反対のいい討論をし合い、深まりを作り、
体育館建設計画への市民のみなさんの関心を高めていきたいです。

さあどんな討論になるか、ご注目を。