★高山市、富山市を視察しての報告★

先日、中信地区若手政治家の会という有志の集まりで、
岐阜県高山市と富山県富山市に日帰り視察に行ってきました。

この会は2月に1度ぐらいに各自が設定したテーマで発表・意見し合う自主ゼミ形式での勉強会や
政治への若手の関心を高めることができればいいね、ということで集まっています。
僕は46歳で最年長、若手の括りに辛うじて入れ込んでもらいやっておりますが。

市議・県議の括り、党派の括りを越えて、自分たちの地域をよくしよう、
政治を変えていこう、という”思い”がある集まりで刺激を与え合っています。

さて本題の視察報告です。

１、視察内容

高山市：①ブランド戦略・海外戦略
　　　　②古い町並みの保存

富山市：①LRT（Light Rail Transit：次世代型路面電車システム）によるコンパクトシティー化
　　　　②シティプロモーション

２、視察してみて

●高山市：①ブランド戦略・海外戦略
　　　　　②古い町並みの保存

東京時代にツアコンをやっていたことがあるのですが、その時に上司から言われていたのは、
「どの観光地も季節によって多かったり、少なかったりがあるのだが、
　高山市だけは四季を通じて観光客が途絶えない。」ということでした。

観光地としてのステータスは動じないものがあるのですが、
さらにそこにしっかりとした戦略（海外も含む）展開をしている感がありました。

高山市と安曇野市の観光入込数を比較してみると
高山市H26年：402万（内宿泊200万人）
それに対し安曇野市はH23年で425万（内宿泊が88万人）。
※H23年は「おひさま」の年だったので、その後は300万台に落ち込んでいると思われる。

両市で観光客数はそう変わらないのに、宿泊では全然かないません。
安曇野は数時間滞在して、どこかに行かれてしまう観光地なのですね。
市の観光ビジョンでは「安曇野暮らしツーリズム」として、
安曇野での暮らしを体験し、人や文化・歴史、生活に触れることを目指しているのですが、
実態はまだまだこれからです。

高山市は古い街並みがどれだけ市にとって重要な資源であるかを認識し、
そこを大前提に施策を考えているという印象を受けました。
古いもの、というのはしっかりと守っていかなくては取り返しのつかないものですから。

さて我が安曇野。
自然、景観、農業、暮らし・生活は一体のモノだと思います。
これを最大に活かし合っていく重点戦略が必要です。

大きな課題です。


●富山市：①LRT（Light Rail Transit：次世代型路面電車システム）によるコンパクトシティー化
　　　　　②シティプロモーション

人口減、税収減の時代の中で、地方はいかに効率的に行政運営を行い、
なおかつ市民サービスを維持していくかという難しい問題を抱えています。
その中で注目されるのが「コンパクトシティー」という考え方。

※コンパクトシティーとは
　都市的土地利用の郊外への拡大を抑制すると同時に中心市街地の活性化が図られた、
　生活に必要な諸機能が近接した効率的で持続可能な都市、もしくはそれを目指した都市政策

富山市はLRTを機能させたそのモデルとして注目されています。
コンパクトシティーを進めると辺境の地域は切り落とされていくのではないか
という心配がありましたが、
市の説明では、串団子のように、中心地から離れた地域にも団子のように小さな町を作り、
そこを串（交通網）で刺し、中心地との往来ができるようにカバーしているということでした。

安曇野市の場合は串団子というよりは、
ミスタードーナツのポンデライオンといったところでしょうか。
現状は市民の足であるデマンド交通であるコミュニティバス「あづみん」は、
豊科の共通エリアによっての乗り換えが必要で、例えば三郷から穂高という行き方はできません。
地域間の自由な移動は必然車しかなくなります。

安曇野市が富山市と同じようなコンパクトシティーというわけには行きませんが、
土地利用条例などによる住宅地の集約化などをはかっております。

例えば、私の暮らす三郷小倉などはさらに10年、20年後にはどうなっていくんでしょうか。
りんごの産地として若手の移住者やUターン者も居て、地域はまだ安泰のような気もしますが、
先を見据えた地域づくりが必要です。

もう1点。

富山市のシティプロモーションについて。
分りやすく言うと、「まちの売り込み」でしょうか。
その予算は年間1億円。
40万人を超える県庁所在地の市なのでそれぐらいは必要なのでしょうが、
今安曇野市でそんな予算付けをしたら、住民からの同意は得られないかもしれません。

「シティプロモーションがシビックプライド（住民が我がまちを誇りに思うこと）
　へと繋がっていった。繋げていっている。」

との説明がありました。

シビックプライドなら、我がまち安曇野の市民も負けてないように思うのですが、
安曇野を愛する思いとその愛をもって来訪者や移住者を迎え入れていく心へと
繋がっていくようにしていきたいと思いました。


最後に。
今回、松本の若手議員と高山市、富山市を訪れたのですが、
この3地域は広域連携を図っていこうとしています。松本市と高山市はお隣さんだし。
視察先の行政担当者の話からもその方向性が話されました。

安曇野市は蚊帳の外？

安曇野を愛する気持ちも大事ですが、それが閉じこもりにならなように、
安曇野市もどんどんと出ていって広域連携を図らなければなりません。