★議会改革の研修に参加してみて★

先日、滋賀県まで議員研修に行かせてもらいました。
これに関わる研修費、交通費は公金を使わせてもらっています。
市民のみなさんへの研修の報告と本研修を活かして
これからの議員活動で発揮する責任があります。
以下報告いたします。

議会研修が終わった翌日、早速以下の報告を持って濱議長と面談し、
議会改革への思いと具体的提案を伝えました。引き続き、やっていきます。

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議員研修レポート
2015年11月10日
安曇野市議会議員　増田望三郎

●研修名：平成27年度市町村議会議員研修[2日間コース]
●テーマ：「議会改革を考える～先進事例に学ぶ住民参加・情報公開～」
●日時：平成27年11月9日(月)～10日(火)
●開催地：全国市町村国際文化研修所（滋賀県大津市）
●講師：北川正恭氏（早稲田大学名誉教授）、中村健氏（早稲田大学マニュフェスト研究所）
　　　　松野豊氏（麗澤大学地域連携センター客員研究員）

【研修に参加してみてと今思うこと】

１、議会基本条例の適正運用を

早稲田大マニュフェスト研究所が毎年行っている議会改革度ランキング、
安曇野市は2014年は233位（情報公開295点、住民参加260点、機能強化220点、総合得点775点）で、
前年2013年の137位（情報公開320点、住民参加165点、機能強化440点、総合得点925点）である。
順位は相対的なものであるが、各項目を足し合わせた得点が落ちており、
この調査によれば安曇野市の議会改革は後退していると言える。

同研究所の調査ではさらに地方議員の3大イメージとして以下を挙げる。

①何をしているか不明　②いなくても同じ　③支援団体の利益代表

安曇野市でも議会改革の中で議会基本条例を制定したが、
それがきっちり運用できていない状況がある。
それは、任期4年の折り返し時において、
無所属会派は議会運営委員会に参加できないという事例で如実に表れている。
この時の議論は、議会の最高法規とも言える議会基本条例よりも、
先例が優先されるというものであった。

理を持って運営されるために条例を規定したわけだが、
運用規定をしっかりと作らなければ「宝の持ち腐れ」となり、
議会運営が多数会派による数の力や
議長の恣意的な裁量により運営されるのでは議会は濁っていくだろう。
結果市民は益々市政への興味関心を失い、孤独な議会になってしまう。

しかし議会基本条例の適正運用は、多くの同僚議員が願っていることでもあると信じている。
会派を越えて他の議員の皆さんとも話し合いを進め、議論をしていきたい。


２、アウトカム（質的成果）についての意識を絶えず持つ

　インプット（資源投入量）は「いくら使ったか。」
　アウトプット（量的成果）は「何をしたか。どの程度できたか。」
　アウトカム（質的成果）は「その結果、何がどの程度改善されたのか。」
　アウトカムまで出すことが、成果を出すということ。
　
　議会の機能としてチェック機能とはよく言われることだが、
　アウトプットのチェックで終わっていないか。
　アウトカムの視点を持ち、成果は何かということを行政のみなさんと共に考えていきたい。
　また私の議員活動においても、滋賀県に研修に行き勉強してきた
　という研修報告を出すだけなら、単なるアウトプットである。
　アウトカムの考え方を自分のモノにすることで初めて私の議員活動の質が向上していく。
　自分自身の活動においてもこのアウトカムの視点で行動していこうと思う。

３、議会報告会が形骸化しないように。

過去2年に1回ずつ行った議会報告会。これが面白くないのは、過去の議決の報告だから。
過去を聞いても面白くない。住民の関心は現在と未来にある。
テーマを設定した議論や対象を絞り込んだ報告会
（例えば、議会と子育て世代が子育てについて議論する報告会など。）など、
次回以降は工夫を凝らしていく必要がある。

４、今後、安曇野市議会の議会改革で具体的にやっていきたいこと

・議会基本条例が適正に運用されるように先例などとの整合性をはかる
　条例が宝の持ち腐れにならないよう、先例などに飲み込まれないように。
・議会報告会の見直し
・議会改革についての市民アンケートを取る
　市民が議会をどのように感じているのか、
　その現実を我々議会はしっかりと受け止めるべきである。
　そこからのスタートとしたい。
　予算措置が無くても議員が政務活動費から費用を出し合ってでもやっていきたい。
　広報紙「議会だより」についてもこのアンケートの中で市民の意見を聴きたい。
・主権者教育の実施を議会からも行う。
　①中学生議会は現在行政側が主催しているが、議会は現状何ら関与していない。
　　二元代表制をしっかりと理解し、18歳選挙権の到来に向けての主権者教育としても、
　　議会側と中学生の議論の場を持った方がいいと考える。
　　またこれは開かれた議会にも繋がり、議会と市民とをより近づけ、
　　市民にとっても我々議員にとっても良い。
　②議員が複数班に分かれて中学校へのアウトリーチを実施したい。
・重要施策についての議会としての積極検討。議会内の議論や市民への広聴。
　手始めに総合体育館の建設計画について。

５、最後に

議会改革の進度は、議会がどれだけ市民との生のやりとりの機会・場面を
創り出しているかということと正比例する。
現状は年に1度の議会報告会だけである。
議会全体としても委員会単位でも、そのような場面を創り出していきたいと思う。
そのことを濱議長はじめ、議会内で呼びかけていきたいと思う。