議員研修の報告
- 2015/04/27
- 23:17
ちょっと前だけど、3月25日に東京で行われた議員研修に参加してきました。
この研修費1万5千円は政務活動費(みなさんの税金からなるもの)を使わせて頂きました。
※平成26年度の政務活動費の収支報告については既に提出済みで、
5月以降準備ができ次第、安曇野市議会のホームページから見られるようになります。
以下、自分にとっての質問作りの大事なポイントとしての備忘録的要素もありますが、
今回の研修で気づいたことを書きます。
この研修を活かして、議会での発言・質問のクオリティーを高めていきたいと思います。
****************************************
●研修概要
研修名:二元代表制を機能させるための議員力アップ講座in東京
主催:地方議員研究会
日時:3月25日 場所:アットビジネスセンター東京駅
講師:川本達志氏(元広島県廿日市市副市長)
テーマ:
・執行部として受けた良い質問と悪い質問
・数字をつけろ。財源を示せ。テーマは続けろ。
・一般質問と政策実現の関係
・質問のための資料集めの手法
・議会が機関としての政策的意思を!
●感想/今後の議員活動につなげたいこと
1、動機
「思いつきの発言・質問が一番困る。」
これは私が懇意にしている友人の行政マンに、「どんな議員が困る?」と問うた際の答えである。
議会と言う、その市町村で最も公の議論の場で議論できる権利と責任をもった議員にとって、
その発言が単なる思いつきでなく、いかに現状の行政や市(市民)の課題を捉えたものなのか、
またこれから向かうべき理想に向かっての足掛かりとなるものなのか、それを考えなければならない。
中でも一般質問は議会の花。
20分という持ち時間を与えられ、存分に自分の政治課題を議場に持ち込み、
公の議論の場にさらすことができる。
行政側が質問の聴き取りを含め、時間をかけて答弁を考えてくれるように、
我々議員も質問の質を上げていかなけばならない。その意欲から今回の研修に参加した。
2、研修で学び、今後留意したい点を書き上げる
♪執行部として受けた良い質問と悪い質問
・行政のマネジメントサイクルの中で、行政は機関。
それに対して議会は機関だが、一議員としては権能が無い。
議会として権能が持っている。では議員は力が無いのか?そうではない。
・では一人の議員として執行部を動かすにはどうすればいいのか?
役所内のマネジメントサイクルに乗せると政策は実現しやすい。
議員個人には政策提案することができるが、一方執行部は責任を持って政策執行しなければならない。
そのためには様々な事前協議や調整が必要。
自らの問題意識にないものは、質問があったからと言って真剣に検討の対象にはならない。
では真剣に検討対象にさせるためには?
・執行部の思考プロセス。現状認識→課題認識→仮説→検証→提案→期待される成果
現状認識は行政側と共有できるはず。課題認識はそれぞれの価値観を伴う。
職員は課題を持っている。その課題の中に議員の課題認識がハマるかどうか。
行政側の共感を得られるか。解決のために仮説を立てる。
その検証をする。そして提案として出てくる。
予算案もこの立案プロセスについて質問をすべき。
現状認識がおかしいのか?課題認識がおかしいのか?
仮説がおかしいのか?検証がおかしいのか?
この思考回路に合わせた一般質問を。
大事なのはまず課題認識の部分で共感を得ること。
(他人を動かすのだから。共感が無ければ動かない。)
・質問を通じて、執行部と一緒に政策・施策を作っていくイメージで。
相手のことをよく知って。マーケティングと同じ。
(マーケティングは理解→共感→行動、質問はまず共感を得ることが何よりも大事。
それが無いと始まらない。一人がって身勝手なものになるだけ。)
・市民は議員に相談。
それを単に執行部への口利きだけなのか、それとも自ら政策提案にして質問にまでしていけるか。
→聴く力、調査力が必要。結果、執行部も見直し検討に。
♪現状認識
・現状認識で正確さは不可欠。それを担保するには数字をつける。その出処を明確に。
金額、人数、割合など。調べれば分る数字を議場で問うのはムダ。
・自分で確認すること。
(ヒアリング、取材の生データは効果的、しかも複数で。聴いただけではダメよ)
・担当者の方がよく知っている。
事前の質問聴き取りで逆取材や日常のやり取りの中で情報を得ていく。
・不知(行政側も知らない)の情報を出すことは、議員がイニシアチブを握る材に料になる。
そのためには情報の正確さを担保する。情報源が重要。ウラをとる。
・現状認識に誤解がある。事実、法、制度、経緯など。
大げさに言ってはダメ。それは共感の妨げになるだけ。
♪課題認識
・まちづくりの理念があるか。一貫した理念の下での質問であれば執行部の聴く姿勢は違ってくる。
その議員の全ての要望に応えるわけには行かないが、住民代表の議員の中心テーマなら、
それを実現させてあげたいという職員のメンタリティーはある。
・課題と考えているのは私一人ではない、多くの支援者がいることは共感は得やすい。
・タイミングも大事。共感を得やすい時期。
今なら地方創生。但し、我がまちに合ったことなのか、と言うことが大事。
・テーマは続けよう!質問は大きな仕事。
成果を出してナンボ。成果を出すためには段取り。計画が必要。ストーリーを考える。
1回で成果が出ることはない。質問は成果を出すための推進力。
質問して、質問して、質問して、そして成果が出てくる。
1回で終わらせれば、そんなもんだと思われてしまう。
・テーマを続けることと同じ質問を繰り返すことは別。同じ質問を繰り返しても答えは同じ。
執行部は過去の答弁に縛られる。
同じ質問をする場合は、どのような事情の変更があったのかを明確にする。
(量的or質的変化があったのかとか、環境が変わったのかとか)
♪仮説(こうしたら解決するのでは)
・他自治体の成功事例の受け売りは仮説にはならない。深く主体的に考え、成功事例を咀嚼する。
他自治体の事例は仮説ではなく検証に使う。
・仮説の出し方 簡単な言葉で。市民に説明することを前提で、自分の言葉で。
→これからは議会報告会を前提に。
論理的に/魅力的に/実現可能性(できそうと感じられるように)を示す
→質問はプレゼン。数字も必要だが写真も大事。
♪検証
・当事者や住民の意見を聴く。現場に帰る。ギャップがあれば修正。
そのコミュニケーションが重要。それが議員の力。
・他団体の成功例を参照する
・住民の要望を質問するのはいいが、質問したことで議員の市民への責任が果たせるとしてしまう。
行政全体のなかでの優先順位の検証は?部分最適ではなく、全体最適を目指す。
自分だけのニッチな質問で満足するな。
♪提案
・仮説が我が自治体でも有効であること(検証)を前提に、
我が自治体の事情に合わせて、具体的な政策に落とし込むのが提案。
・その際に財源を示せ!
今回学んだことを今後の一般質問をつくる際に大いに活かしいきたい。
この研修費1万5千円は政務活動費(みなさんの税金からなるもの)を使わせて頂きました。
※平成26年度の政務活動費の収支報告については既に提出済みで、
5月以降準備ができ次第、安曇野市議会のホームページから見られるようになります。
以下、自分にとっての質問作りの大事なポイントとしての備忘録的要素もありますが、
今回の研修で気づいたことを書きます。
この研修を活かして、議会での発言・質問のクオリティーを高めていきたいと思います。
****************************************
●研修概要
研修名:二元代表制を機能させるための議員力アップ講座in東京
主催:地方議員研究会
日時:3月25日 場所:アットビジネスセンター東京駅
講師:川本達志氏(元広島県廿日市市副市長)
テーマ:
・執行部として受けた良い質問と悪い質問
・数字をつけろ。財源を示せ。テーマは続けろ。
・一般質問と政策実現の関係
・質問のための資料集めの手法
・議会が機関としての政策的意思を!
●感想/今後の議員活動につなげたいこと
1、動機
「思いつきの発言・質問が一番困る。」
これは私が懇意にしている友人の行政マンに、「どんな議員が困る?」と問うた際の答えである。
議会と言う、その市町村で最も公の議論の場で議論できる権利と責任をもった議員にとって、
その発言が単なる思いつきでなく、いかに現状の行政や市(市民)の課題を捉えたものなのか、
またこれから向かうべき理想に向かっての足掛かりとなるものなのか、それを考えなければならない。
中でも一般質問は議会の花。
20分という持ち時間を与えられ、存分に自分の政治課題を議場に持ち込み、
公の議論の場にさらすことができる。
行政側が質問の聴き取りを含め、時間をかけて答弁を考えてくれるように、
我々議員も質問の質を上げていかなけばならない。その意欲から今回の研修に参加した。
2、研修で学び、今後留意したい点を書き上げる
♪執行部として受けた良い質問と悪い質問
・行政のマネジメントサイクルの中で、行政は機関。
それに対して議会は機関だが、一議員としては権能が無い。
議会として権能が持っている。では議員は力が無いのか?そうではない。
・では一人の議員として執行部を動かすにはどうすればいいのか?
役所内のマネジメントサイクルに乗せると政策は実現しやすい。
議員個人には政策提案することができるが、一方執行部は責任を持って政策執行しなければならない。
そのためには様々な事前協議や調整が必要。
自らの問題意識にないものは、質問があったからと言って真剣に検討の対象にはならない。
では真剣に検討対象にさせるためには?
・執行部の思考プロセス。現状認識→課題認識→仮説→検証→提案→期待される成果
現状認識は行政側と共有できるはず。課題認識はそれぞれの価値観を伴う。
職員は課題を持っている。その課題の中に議員の課題認識がハマるかどうか。
行政側の共感を得られるか。解決のために仮説を立てる。
その検証をする。そして提案として出てくる。
予算案もこの立案プロセスについて質問をすべき。
現状認識がおかしいのか?課題認識がおかしいのか?
仮説がおかしいのか?検証がおかしいのか?
この思考回路に合わせた一般質問を。
大事なのはまず課題認識の部分で共感を得ること。
(他人を動かすのだから。共感が無ければ動かない。)
・質問を通じて、執行部と一緒に政策・施策を作っていくイメージで。
相手のことをよく知って。マーケティングと同じ。
(マーケティングは理解→共感→行動、質問はまず共感を得ることが何よりも大事。
それが無いと始まらない。一人がって身勝手なものになるだけ。)
・市民は議員に相談。
それを単に執行部への口利きだけなのか、それとも自ら政策提案にして質問にまでしていけるか。
→聴く力、調査力が必要。結果、執行部も見直し検討に。
♪現状認識
・現状認識で正確さは不可欠。それを担保するには数字をつける。その出処を明確に。
金額、人数、割合など。調べれば分る数字を議場で問うのはムダ。
・自分で確認すること。
(ヒアリング、取材の生データは効果的、しかも複数で。聴いただけではダメよ)
・担当者の方がよく知っている。
事前の質問聴き取りで逆取材や日常のやり取りの中で情報を得ていく。
・不知(行政側も知らない)の情報を出すことは、議員がイニシアチブを握る材に料になる。
そのためには情報の正確さを担保する。情報源が重要。ウラをとる。
・現状認識に誤解がある。事実、法、制度、経緯など。
大げさに言ってはダメ。それは共感の妨げになるだけ。
♪課題認識
・まちづくりの理念があるか。一貫した理念の下での質問であれば執行部の聴く姿勢は違ってくる。
その議員の全ての要望に応えるわけには行かないが、住民代表の議員の中心テーマなら、
それを実現させてあげたいという職員のメンタリティーはある。
・課題と考えているのは私一人ではない、多くの支援者がいることは共感は得やすい。
・タイミングも大事。共感を得やすい時期。
今なら地方創生。但し、我がまちに合ったことなのか、と言うことが大事。
・テーマは続けよう!質問は大きな仕事。
成果を出してナンボ。成果を出すためには段取り。計画が必要。ストーリーを考える。
1回で成果が出ることはない。質問は成果を出すための推進力。
質問して、質問して、質問して、そして成果が出てくる。
1回で終わらせれば、そんなもんだと思われてしまう。
・テーマを続けることと同じ質問を繰り返すことは別。同じ質問を繰り返しても答えは同じ。
執行部は過去の答弁に縛られる。
同じ質問をする場合は、どのような事情の変更があったのかを明確にする。
(量的or質的変化があったのかとか、環境が変わったのかとか)
♪仮説(こうしたら解決するのでは)
・他自治体の成功事例の受け売りは仮説にはならない。深く主体的に考え、成功事例を咀嚼する。
他自治体の事例は仮説ではなく検証に使う。
・仮説の出し方 簡単な言葉で。市民に説明することを前提で、自分の言葉で。
→これからは議会報告会を前提に。
論理的に/魅力的に/実現可能性(できそうと感じられるように)を示す
→質問はプレゼン。数字も必要だが写真も大事。
♪検証
・当事者や住民の意見を聴く。現場に帰る。ギャップがあれば修正。
そのコミュニケーションが重要。それが議員の力。
・他団体の成功例を参照する
・住民の要望を質問するのはいいが、質問したことで議員の市民への責任が果たせるとしてしまう。
行政全体のなかでの優先順位の検証は?部分最適ではなく、全体最適を目指す。
自分だけのニッチな質問で満足するな。
♪提案
・仮説が我が自治体でも有効であること(検証)を前提に、
我が自治体の事情に合わせて、具体的な政策に落とし込むのが提案。
・その際に財源を示せ!
今回学んだことを今後の一般質問をつくる際に大いに活かしいきたい。
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