議会3月定例会が始まっています。
今回は新年度予算について書きます。
ちょっと解説風になりますが読んでくださいね。
今回の定例会では、行政側から提出された予算案の審議が最重要の議案となります。
※予算案の審議とは
安曇野市のお金の使い道(歳出)と
その財源(歳入・どうやってお金を調達するのか)について話し合うこと。
行政から600ページ近い予算書と500ページ近い予算概要説明書を読み込んで、
この予算がどんな予算なのかを理解しようとしています。
予算案の概要ですが、まず安曇野市の予算規模。
417億4000万円です。
前年度の当初予算と比較すると22億2千万円の減です。
まずハード面。
ハードとは公共施設や道路整備など、作る、建てると言ったもの。
立派な新庁舎(昨年度だけで約30億)ができて一息つくのかと思いきや、
今度は支所の整備が始まります。
・穂高支所の建替え・・・約2億9千万
・堀金支所の改修・・・約5億4千万
・三郷公民館の改修・・・約5億7千万
※その後支所は取り壊し、学習交流センターを新築。
他には
・豊科公民館の大規模改修他・・・約7億6千万
・三郷児童館の増築・・・約1億2千万
・アルプス保育園の建替え・・・約2億4千万
・しゃくなげの湯の整備・・・約4億4千万
・その他
上記ハード建設事業で約73億8千万。歳出全体の17.6%になります。
次から次へと既存施設の改修や建て替え等の整備が続くわけですが、
人口減、税収減が確定的な将来に向けて、
これまであった施設を同じように作り直していくことはできない、
ということは市(市長)も認識しています。
それでも我が地域にあるこの施設だけは残しておいてほしい、
という地域住民の思いもあり、
施設統廃合について総論賛成、各論反対の悩ましい問題があります。
これについては、これから身を切るような思いで市長の英断が必要になってくるでしょう。
また議会としても、そこは切り込んでいかなければ、将来負担が増えるばかり。
今後の議会の中でしっかりと議論をしていきたいと思います。一方ソフト面。
まずは気になる子育て支援。
・保育料の軽減・・・8200万
※第3子以降で3歳以上は無料/3歳未満は月額6千円を上限に軽減
これは認可外(野外保育園含む)や市外の施設利用も対象
・病児、病後児保育事業・・・約1000万
子どもが病気や病後の時でも病院にできる保育施設に預けて親は仕事にいけるという事業
・妊婦の歯科検診無料・・・105万
妊婦は虫歯や歯周病になりやすく、早産や低体重児出産の恐れも高まるため。
他にも主だったところでは
・市の施行10周年を記念した行事・・・8515万
市民パレードや10歳の児童の2分の1成人式など
・6月7日の第1回ハーフマラソン・・・1850万
・松くい虫被害対策・・・約2億7千万
※新年度も有人・無人ヘリによる空中散布を予定とのこと。
・認可外保育所児童の処遇改善・・・約1400万
※これには野外保育園の支援も含まれます。
・8月末に安曇野で行われる全国名水サミット・・・250万
・スカイラインの展望台改修やトイレの整備・・・2359万
・若年者健診(20~39歳までが1000円で健康診断が受けられる)・・・約350万
・区に貸し出す除雪機66台・・・約3900万
・緑のまちづくり事業(新築、結婚、誕生、入学の際に記念樹として苗木を配布)・・・961万
などなど。
野外保育園の支援に予算が付いたこと、
スカイラインの展望台で必要最小限の整備にできたこと、
これらは僕も行政に対し議会で働きかけていたことなので嬉しいです。
さてでは、これらの事業を実現していくための財源はどのように用意されるのか。
すなわち歳入について。
・特例債含む地方債発行・・・約54億(12.9%)
・市税(僕ら安曇野市民が払う市民税や企業の法人市民税)・・・約112億(26.8%)
・地方交付税(これは国から地方に配分する税金)・・・約108億(25.9%)
・繰入金(市が持つ様々な基金からの取り崩し)・・・約39億(9.3%)
・その他(詳細は省略)・・・約104億(24.9%)
となっています。
新たな借金となる地方債の発行は前年から約40%減なのですが、
その分貯金(基金)を取り崩す繰入金は前年から約36%増となっています。
ちなみに借金となる地方債の残高約433億、貯金となる各種基金の総額は約100億です。
限られた財源の中で、短期的視点、中長期視点を区別して、
いかに効果的なお金の使い方をするか。
その議論を今回の議会でしっかりとやっていくわけです。予算書は以下で見れます。
http://www.city.azumino.nagano.jp/gyosei/zaisei/yosan_kessan/yosansho/2015.html尚、上記の新年度予算とは別に補正予算案というのが出されています。
補正予算というのは年度当初に出した予算をあれこれ修正する必要が出てくるわけですが、
それに対応した予算のこと。
平成26年度は3月末で終わりで残り少ないですが、本定例会にも26年度予算の補正予算が出されています。
いくつか挙げると、国の経済対策による交付金を元に、
・商業振興事業としてプレミアム商品券の発行・・・約1億3千万
・農家民宿改行補助・・・315万
などです。
これらは今年度の予算に補正として計上されますが、今議会で議決され、
実際に事業として行われるのは新年度になります。(例えば農家民宿は5月末から)
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