望三郎議員の一般質問と紛糾、議会対応。
さらに市長からの議会への申入書、
それを受けての議長からの発言の真実についての文書提出要請、
そして望三郎議員の回答書提出。
これが今回の一連の経過でした。
しかし、これで終わりではありません。
最終日に本議会の冒頭で
「一部発言の取り消しの報告を議会でするように。」ということを言われました。
僕が出した回答書でも、取り消しについて書いているわけですが、
それを本議会の中で正式に発言するのです。
取り消しの場合、通常はその取り消し部分を読むだけなのですが、
僕はそれだけでなく、自分の心情・信条も含めて発言したいということを議長に伝えました。
議会に入って1年足らず、今回の定例会は僕にとっても踏ん張りどころの議会でした。
そして最後に与えられた発言のチャンス。
このチャンスを大事にしよう。
どんな発言をすれば次に繋がっていくのか、そのことを真剣に考えました。考えていくうちに、当初は発言内容にいれるかどうかを検討していた
市長の「増田議員は嘘をついている。」という断定発言の取り消しも、
言わなくていいと思いました。
その取り消しを求めたり、「私は嘘つきではない。」なんてことを言っても、
消耗戦が再燃するだけ。
その舞台には上がらない。戦わない。争わない。そのことを直接的に言わずとも、事実と自分の信条を伝えることで、
結果としてそれを聞いた行政・議会・市民が、
「ああ、増田の言ってることが筋が通ってるな。理があるな。」とわかるような、
そんな内容にできればいい。
自分の心に正直に、明鏡止水の心境で臨みたいと思いました。
「一部発言の取り消しとそれに至る本件についての説明をします・・・。」
と言うことで話をはじめました。
どこかで発言を遮られたり、ヤジが飛ぶかと思っていましたが、
私の発言は最後まで言うことができました。
ヤジが飛ぶ議会なんて恥ずかしくて子供たちに見せられませんし、
これが本来の姿なのですが、
最後まで発言を聞いてくれた議員の方々、また発言を最後までさせてくれた議長に感謝です。
以下発言の内容ほぼ全文
平成26年9月定例会 最終日発言
増田望三郎
私の一般質問について、市長から議会宛に申入書が出され、
その中で「市政にあたかも疑念・疑惑をもたれるような内容であり、
市長としての尊厳を著しく毀損される発言がありました。」との指摘がありました。
しかし、今回の私の質問の本旨は、議員の職務において知り得た情報を、
その内容が事実かどうかを確かめることにありました。
議事録を読みますと、市長は何度も「噂」という言葉を言われていますが、
これは「噂」ではなく、私が実際に当該市民の方に直接お会いして聞いた内容です。
具体的な経過を申し上げますと、
8月28日又は29日に初めて連絡を頂く。記録を残しておらず日程を特定できない。
8月30日 初めてお会いし、話を伺う。その際に今回の情報を聴く。
9月13日 2度目の面会。一般質問の中で取り上げることを確認し了解を得る。
名前は出さないことを本人と確認。
9月14日 3度目の面会。再度質問内容を確認、了解を得る。
9月16日 4度目の面会。
一般質問終了後、お会いし、
質問の報告と名前は出さなかったこと、これからも出さないことを伝える。
以上のようになっております。
このような経過を踏み、該当市民の方の思いをしっかりと受け止め、
これをきちんと議会で確認することが私の議員としての責務である、
という思いで質問を行いました。
したがって、神聖な議会を汚したことにはならないと思っております。
また市長は一般質問の反問権を行使され、
具体的な証拠を示すように何度も問われましたが、
情報源の秘匿は情報提供者の立場を守る観点から報道や取材では絶対条件であり、
議員活動においても同様だと考えました。
また私を信頼して話をしてくれた方の名前を明かすことは、
市民と共にあろうとする私の議員信条からも、また人としても絶対にできませんでした。
一方、感情が高まり一部至らなかった点があり、
市長に対しての配慮が不十分であったことを認め、
一般質問の以下の一部発言について取り消しをさせて頂きます。
①「この開発を早い段階で知った市長は、そのことをぎりぎりまで表沙汰にせずに、
一気に承認してしまった。これは穿った見方でしょうか。」
②「どちらがうそつきかということですね。」
最後に、今回の質問は、安曇野のパチンコ店出店に関して憤怒した市民が、
その思いを何とか市政に届けたいと私に連絡をくださったことをきっかけに、
「たった一人の声でも、市民から頂いた大切な意見をしっかりと受け止め、
それを議会に届けていくことが議員の責務である」という私の政治信念から行ったものです。
その政治姿勢はこれからも何ら変わることはありません。
また
市民においても、今後も萎縮することなく、
身近にいる議員にその思いを届けて頂き、
また我々議員も小さな声、声なき声を真摯に受け止め、
議論し合える安曇野市議会でありたいと思っております。以上です。発言を認めて頂きありがとうございます。
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その後、浜議員から、
「市長の申入れにあった点の全てを取り消しをするよう」
という内容の動議が出され、賛成多数でこの動議が可決されました。
※動議とは、本会議で議員が行う提案のこと。
その後、議長が動議の可決を受けて、
僕に対して全取消の勧告をしましたが、僕はそれを拒否しました。
その理由として僕が発言したのは
①取り消しの根拠は何か?
議事録を読み返すと、どこにも断言した言い方をしていない。
市民の思いを受け止め、議会に届け確認しようとしたことについて、
なぜ取り消す必要があるのか?
②そもそも反問権の適正について疑問がある。
質問の含意・真意・詳細を問うものではなく、今回の場合は
「誰が言ったのか?」ということを問い質すものであった。
果たしてこれが反問権として適正だったのか?
そのことの議論が無いまま、議会は「反問権に答えられなかったから駄目だ。」
というような押さえ方をしていいのか?
③想像してみてほしい。自分がその立場だったら、情報提供者を明かせるのか?
ここで明かせば、その方の立場がどうなるのか?は容易に想像できる。
④二元代表制としてある議会の良心を放棄するのか?
の4点でした。
その後、藤原陽子議員が新たな動議をするも取消。
今回の僕の質問のことで不満があったのでしょう。
話を聞かせてもらいたいものです。
また竹内議員も動議発議をしましたが、
その内容は別の機会で検討するということで動議にはなりませんでした。
結果、議会からの勧告とそれを望三郎議員が拒否した、という事実が残り、
議会としては、それ以上の対応はしない(できない)ということになりました。
勧告拒否を受けて、今度は市長から議長に再度発言を求め許可され、
増田の発言について不満があること、そして、
「その人の名を明かさなくてもいいので、どのような場でいつ話したのかを
明確にするよう、そのことを確認してほしい。」
と言うことを言われました。
市長もこれ以上のやり合いを望んでいないのか、また言い方を気をつけているのか、
前回のような断じた言い方ではありませんでした。
市長側も最後のボールを投げ(上記)、
議会の一部議員ももやること(動議をかけて取消勧告をする)はやりましたが、
定例会は閉会し、本会議で起こったことは本会議会期中にケリをつけるということで、
この件についてはこれで落着しました。
※地方自治法第119条 会期不継続の原則
会期中に議決に至らなかつた事件は、後会に継続しない。
議会においては「会期中」に「正式な議会の会議」で処理することが大原則なのです。
なお、閉会後に議会事務局に確認したところ、
市長が真相究明を求めていた2点(議会側が取り消しを求めた2点)のうち、
一番キモのことを確認した1点については取り消されず、議事録に残るということでした。
「大型パチンコ店がやってくる件については、昨年10月の選挙前後に既に話題になっていた。
市長も話を出してきた。公の場で市長にしっかりと確認したいと思っているわけです。」勝った負けたはありませんが、増田の発言の肝心の部分が残り、
全取り消しを求めてきた議会側や
攻勢をかけてきた市長側の意の通りにはならなかったことになります。
僕も最後まで自分の信条を貫くことができ、
それをまた多くの市民の方にそのことを知ってもらえるのかなと思っています。市民のメールから
▼増田望三郎議員はよく踏ん張りました。
市長と議長がベッタリの安曇野市議会にあって、議員として市長と対等の立場で、
主張すべきところは一歩も引かず、二元代表制における議会議員のあり方を、
しっかりと示してくれました。
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