9月定例会が行われています。
僕の一般質問は来週16日(火)午前10時からです。
今回は豊科の大型パチンコ店出店について取り上げています。
このテーマは他にも4人の同僚議員が取り上げています。
では、パチンコ店出店の何が問題なのかを書いてみます。
まず出店する場所は梓橋の安曇野側の堤防沿いの(株)羽田コンクリート跡地。
地図を見ると分りますが安曇野の玄関口です。
↓
http://yahoo.jp/HdUN9i駐車場台数は958台で県下最大のパチンコ店となり、
営業が始まれば約2000台の車が往来するとも言われており、
住民の平穏な暮らしも脅かされてしまいます。
近くには保育園もあり、また小学校のスクールバス停もあり、
そこに向かう子供たちの通学路にもなっていて事故も心配です。
今回の出店で人口当たりのパチンコ台数も県下一になります。
市長は田園産業都市を唱っていますが、田園遊興都市になってしまいそうです。
個人の問題とは言え、ギャンブル依存症になる人も増えるかもしれません。
また今回の業者は名古屋の大手パチンコ店なので、
安曇野での利益は全て県外資本に流れていきます。
先進国が第三世界の途上国を先進国のやり方で開発を進め、
その収益利益を吸い上げていく構造と似ていると言えるかもしれません。
僕たちの愛してやまない安曇野の自然と景観、歴史・文化などが、
この手の外部資本によって食われていってしまうのです。当然そういった乱開発を防ぐため、国には都市計画法、
安曇野市には土地利用基本条例という法律があります。
この地域は住居地域、この地域は商業地域、この地域は田園地域というように、
使用目的を限定した地域区分を作って開発を管理・制限しています。
今回パチンコ屋が出店する地域は都市計画法では準工業地域、
土地利用条例では準拠点地域で、遊技場などの出店が認められています。
また開発事業を進める手順が土地利用条例で定められていますが、
その中には住民に対し説明会の開催が定められています。
しかし、それは開催するだけで、そこで住民が反対したとしても、
それで開発事業が止められるというふうには定められていません。
つまり今回のケース、地元住民の多くが反対していても、法律的には止められないのです。
市長も議会の場で「残念ではあるが法的に止められないので・・・。」と言っています。
そしてすでに市は9月1日に開発申請の承認をしてしまいました。
業者は正式にパチンコ店の建設を進めていけるわけです。
みなさん、こういった状況をどう思いますか?
市長も住民も、そして全国の多くの安曇野を愛してやまない人たちも
賛成しないパチンコ店が、どうしてこうも簡単に出店されてしまうのか。不思議だと思いませんか?
「法律的に問題が無いから。」
そう市は説明をするのですが、このままでは、また次のパチンコ店ができてしまいそうです。
実は一つ手立てがありました。
それは準工業地域に指定されている地域に対し、「特別用途地区」という新たな指定をかけ、
開発の制限をかけることができるたのです。
しかし市は次のような理由でこれをやりませんでした。
「業者の開発事業申請が出た後にこの指定をかけると、
業者を狙い打ちにしたとみなされ、
行政権の濫用となり、国家賠償法で訴えられ負けてしまう。」
業者の申請が出されたのが5月2日です。
この後に特別用途地区の指定を新たにかけると濫用になる、ということです。
つまり、
このような開発申請が出て来てから対応するようでは遅いということです。
田園産業都市をうたうなら、そして安曇野の自然や景観、歴史文化を開発から守るためには、
もっとこのようなケースを想定・先取りして手を打たなければならないのです。具体的には、このような遊興施設ができそうな地域には特別用途地区の指定をしておく、というような手です。
田園産業都市を掲げるリーダーである市長には、それが絵に描いた餅で終わるのではなく、
また「残念だが・・・」で終わるのではなく、そのあたりの先見性を持って行動してもらいたいです。
しかし、
これは行政だけに押し付ける問題ではありません。
行政の相方である我々議員・議会も、目指す理想理念のもとに、
安曇野に何を残し、何を作り、何を受け入れていくのか、
安曇野の土地利用の政策を提案していかなければなりません。
そして住民もまた安易な外部資本を受け入れない民度と世論を醸成しなければなりません。そんなことも訴えようと思います。
16日午前10時、堀金支所での議会傍聴にぜひいらしてください。
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